まだ彼の香りが残ってる
「おみやげ渡したいんだけど 今晩どうかな」 22時になろうかと言うころ メールが届いた
逢えるんだ 逢える日がやっと来たんだ うれしくてうれしくて 心の中で叫んだ私
仕度をする手が震えていた 心臓がドキドキしていた 「着いたよ」のメールが来るまで聴いていたのは 今日借りてきたばかりのアルバムに入ってた 「君が好き」
2回目を聴き始めたとき 携帯が震えた 「転ばないように急いで来てね(笑)」
あのイベントのプログラムと 頼んでおいたCD−R 忘れずにいてくれたんだ
それらを受けとって 後ろの座席においてすぐ 運転席の彼にもたれかかった ひさしぶりの彼の香り
そして始まった彼とのキス 何ヶ月ぶりかのキス 軽く触れて 熱くくちづけて
耳元で彼が言う 「大好き」 ああまだ好きでいてくれたんだ いつもは催促しないと言ってくれないこの言葉を すんなり聞けたら そんなふうに解釈しちゃうのね
何度も何度もキスが続く 閉じている私のまぶたにも
そして きつく抱きしめられた 息することさえツラくなるほどのこの力が 私は大好き
彼の唇に自分から近づき 寸前のところで止める さあガマンくらべ・・・ 急に吹き出す彼
微笑んでいる時の口元のシワ
何気なく視線にはいった時に 私を見ている目
触れ合う頬と頬
擦りあう鼻と鼻
心の中で再確認しているかのよう
余り長くはいられなかったけど 楽しい時間だった
「じゃあ帰る前にもう一度キスして」 と言う私の鼻にキス その後イジワルっぽく笑う
熱いキスの後 首筋にも軽くしてくれた
車を降りて 運転席側にまわった 「じゃ」と手を振る彼に 私も手を差し出した 握手できればそれでよかった
彼は握った私の手を引き寄せ キスをした 運転席の彼と 立ったままの私
握った手をほどくのに時間がかかった
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