快賊日記「funnyface」

2006年11月27日(月) 執行する者

日々、過ぎていく時間に流されて
思う気持ちや届けたい言葉も忘れてしまう。
あの日の気持ちはどんなだったろう。
ほんの少し前の昨日もあっという間に
過去になっていく。
今日の隣に過去があり、明日の先に未来がある。
ただ、日々を過ごすだけ。
人は生きている間にどれだけの思いを
残す事ができるのだろう。
思っては解け、紡いでは儚く消えて行く
この心に留まる全てを、
いつかは解き放ち、愛する人たちへ
届ける事ができるだろうか。
ただその日のためだけに、過去になる明日を
迎え、過ぎ、超えていく。



2006年11月18日(土) リレー選手の真ん中

どんなに遠く離れても、
私を必ず見つけてくれる瞳がある。
それは暖かく私を包み、
時に何気ないタイミングで寄り添うように
そばへ舞い降りてくる。
長い年月を繰り返し生きてきて、
それなのに分からないことばかりの私が
人に与えられる事といったらたかが知れていて。
癒され助けられるのはいつでも自分の方だと
最近の自分の不甲斐無さに気後れしながらも
文字を打つその手に力がこもって来る。
いつだって忘れられない綺麗な笑顔を
思い出せば、また一つしっかりしなくちゃと
背中を押される自分に出会う。
優しさは人から人へ、手を繋ぐように
暖かくしっかりと手渡されていくもの。



2006年11月12日(日) 異質の恋

限りある命を知る者は、迷う事無く
その歩を進める。命の限りを知らぬ者は、
何度となく後悔を繰り返し終わりを知り、
ようやくそのはかなさに気付くのだ。
人生とはその長さではなく、
その重さに価値があるのだと、
まだ若い瞳は不釣合いな哀愁を漂わせ
僅かに微笑む。
彼の潔白な命が天に還っても、
私はまだ老いきれず悟りきれず、
もがき苦しみながら生を生をと
命をむさぼり生きている。
もっとあるがままに、
魂の正しいままに生きれたらいいものを。



2006年11月07日(火) 美しい日々

一つの小さい命を拾いました。
とても小さくはかなくみえるその命は、
それでも精一杯生きているのだと
私に教えてくれた。
愛くるしいその姿に一目惚れをして
抱え揚げた時、すでに愛着は生れていた。
本当に可愛くて綺麗で。生れたての命は
何て美しいのだろうと改めて感じた。
どれほど小さく見えても、
そこに確かに存在している。
生きているのだと必死に訴えてくる。
助けられ愛され守られるのが当然に思える
その姿。それは生あるもの全てのありのままの
姿だと思った。全ての命はそうあるべきだと。
愛される為守られる為幸せになるために命は
あるのだと思う。
決して虐げられる事なく苛められる事もなく
差別や区別もなく。
全ての命は等しく平等に愛を持って、幸せに
その命を終える為に生れてくるのだと、
私はその小さな命を抱えてもう一度思った。
きっときっとそうであって欲しいと、
今心から願います。



2006年11月01日(水) シスター

大切なものを失った時の事を
はっきりと覚えている。
人は痛みや悲しみを忘れながら生きている
ものだけど、記憶は愚かで残酷で。
その時の思いが蘇れば、ちゃんと苦い痛みが
心の中に波紋のように広がって。
決して全てを忘れているわけじゃないと
今更ながら思い出させられる。
特に私はしつこいようで。
まるでそれに囚われてるかのように生きている。
なくした人を忘れる必要はないけれど、
そこに留まる事もまた良い事ではないと分かっているのに。
だけど、希望はある。新しく芽吹く命もある。
そしてそれは何にも変えがたく素晴らしい事だと
改めて私は今日知ることになる。
人が生きるこの世界は、何て素晴らしく
何て驚きに満ちて、神秘の連続なのだろう。
いくつになっても教えられる事は、
とても些細でとても大切な
たった一つの事だったりするのです。


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