快賊日記「funnyface」

2006年01月30日(月) 光の世界

久しぶりの気持ちのいい天気でした。
空は高く澄んで、暖かく。
最近の寒さが嘘のような一日。
ぶらりと立ち寄った公園では
はしゃぐ子供達。何度も滑り台から滑り降りて行く。
繰り返し繰り返し飽きもせず何度も何度も。
そんな私も飽く事もなくその姿を見ていた。
明るい世界とはこういう世界だろう。
子供の笑顔が輝く世界。
大人もその笑顔に励まされる世界。
小さな悩みもそれはそれでとても大切。
小さな事に戸惑う自分がいるから、それ以上を
求めて前へと進めるんだ。
目の前しか見えてないのではなく、その先しか見ないんだ。
そうやって前へ進むべき道を探して歩いているんだ。
人の生きる道とはきっとそういうものなんだ。
キラキラと光る青い空に深いため息をつく。
心が穏やかになって幸せになる。まだまだ頑張れると
そう気づく自分がいる。


東京上空いらっしゃいませ−ソライチメンノアオ



2006年01月21日(土) 雪空

今日は雪が積もりました。
都心に本格的に雪が積もったのは5年ぶりの
事だとか。私は当たり前のように朝起きてすぐ
外に出て空を見上げた。真っ白で大粒の雪が、
ただただ静かに私に落ちて来る。
とても綺麗でとても冷たくて。すごく嬉しくなった。
昔から雪だるまを作るのは下手だったけど
いまだにやっぱり上手く作れない。
いびつな雪だるまを近くの駐車場に放置して、
テクテクと歩いてみた。いつもの道を。いつもと違う道を。
足を踏み鳴らすように歩くと、ザクザクと音がする。
まるで雪の町の住人になったみたいで、楽しかった。
雪の降る日はいつだって子供の頃と同じ事をしてしまう。
自転車に乗っかっている雪を振り払う。車に積もっている
雪に顔をつける。知らない車なのに。
青く高い冬の空が、今日は真っ白な雪だった。
見上げれば降る雪、雪、雪。
きっとこの空はあの日の空に続いてる。
青く高い空も、白い雪の空も、同じ思いを繋げてる。
そしていつか見上げる空も同じ思いを教えてくれるはず。



近所の公園にて−トウキョウノユキゲショウ



2006年01月17日(火) 帰り道

まだまだ寒い日が続くそうです。
せっかく昼間が暖かくても、夜はとても寒くて
自転車で帰り道を急ぐと、その分耳が痛くて。
今年の冬は嫌と言う程、冬を堪能してしまいます。
夜が遅いとなおさら寒さはまして。
それでもそんな中働いている人がいる。
深夜の仕事ではないはず。自宅での仕事をいい事に
片付かない仕事を一人すませてるのかもしれない。
重い荷物を乗せて動く車。動かしている顔を
チラリと覗けば、父とそう変わらない年頃の
おじさんだった。この寒空の中、一人もくもくと
働いている姿はどうしても父とだぶってしまう。
まだまだ甘い環境で生きている私を時々見知らぬ人が
叱咤する。さぼりたいなんて気持ちはどこかへ
捨てよう。一瞬だけ目が合ったあの人は今はきっと
夢の中。こういうささいな事が私の大事な思い出に
なったりする。もっともっと頑張ろうと軽くついた
ため息。吐く息の白さにも寒さを感じなくなっていた。
家はもうすぐそこに。



2006年01月13日(金) イエスタディ。

今日は雨が降ってしまったせいか、また寒さが
戻ってしまいました。
昨日はとても気持ちのいい天気で、この所の
極寒を和らげるような穏やかな夕暮れでした。
空も澄んで美しく、そこを弧を描いて飛んで行く
渡り鳥を見つけた。束になって飛ぶあの姿は、
一羽一羽が小さい彼等が敵に襲われないよう
カムフラージュする為の姿だとか。誰に教わったのか。
私たち人間は知的生命体としてこの世に存在して
いるけれど、小さいとても小さい鳥までもがそうとは
とても思えず。それでもこの世に生きる全ての生き物は、
自分を守る術を知っている。それは遥か昔から脈々と
伝わる生命の神秘。生きるという知恵。知識をもつのは
人間で、知恵を授かるのは地球上に生きる全ての生命。
この世に生きるためだけに授かる知恵。自然と共にある彼等は
生きる術も死に行く場所も知っている。
累々と生まれては滅ぶこの世の命の一つに過ぎない
私たち人間も自然がなければきっと生きられない。
それでも文明の利器がなければ生活出来ないのもまた確かで。
科学の進歩はその明晰な頭脳に感嘆するし、文明の発展に
歯止めは利かず、またその便利さに驚嘆する。
でも出来るなら、この身が静かに土に還るまで。
もう少しだけその進化の手がゆるやかであればいいなと
高い空を仰ぎながらふと思った、そんな昨日。



2006年01月10日(火) 渦。

酷く落ち着かない時がある。
感情を上手くコントロール出来ずに、
そんな自分を持て余す。
大概においてそんな時は酷く暴力的な自分がいる。
はき捨てたくなる感情。
きつい言葉で人を傷つけたくなる。
えぐるような心に浮かぶその言葉は
もちろん浮かんでははじけていくだけだけど。
他人へぶつけたいと思う気持ちは常識を知っていれば
言っていい事と悪い事の区別はつくから、
おのずと自分へ帰って来る。
自分を傷つけるのは他人へぶつけるより遠慮しなくて
いいから、殊更押さえが利かなくなる。
こんな感情を人はどうしているんだろう。
それともこんな事はないのかもしれない。
甘やかされなければ生きられないくせにと
自分を押さえつける事で鎮火されるそれは、
本当は心の奥底でくすぶったまま。
脱する手段がある私は焦らず下がらず、
待てばいいのかもしれない。



2006年01月09日(月) 予約済み

少し遅い初詣に行きました。
といっても、実家でも行っているので
今年二回目になりますが。
浅草に行きました。浅草はいろんな文化が
ごちゃまぜの町。とても好きです。
そして浅草は彼の匂いで溢れている町。
どこを見ても彼の生きた歴史が存在してる。
本当にあの人はいるんだと改めて思わせてくれる町。
浅草の有名な通りには歴代のスターの看板があります。
ずらーっと並んだその看板のスター達は本当の大スター。
俳優と芸人に別れて並んで、まさに圧巻。
そこに一つだけ、予約済みの看板がある。
まだ写真は入っていない。もちろん名前も。
でも誰が入るかは予約済み。
たくさんこれからだってスターは出て来るはずなのに、
何が何でもそこのその場所はその人のもの。
彼にゆかりのある鯨屋という小料理屋の前のそれ。
ハリウッドを真似た手形の彼の手はとても小さく。
何度も合わせたそれにまた手を合わせてみる。
近づいてみたい人。好きという気持ちは凄い。
それが全く会った事のないスターへの気持ちだとしても。
ちょっと落ちてる気持ちも吹き飛ばしてくれる。
おかげで「凶」を引いた私も元気になりました。



浅草の指定席−ソレハビートタケシトイウオトコノセキ



2006年01月06日(金) ニベア。

ふとした時に思い出す記憶がある。
何でこんな大事な事を今まで忘れていたんだろうと
自分を振り返る。
それはとても大事だけど、とても些細な事。
それは幼い頃の日常。
私はそれを毎日のように見ていた。
その光景を、そのしぐさを。
いまは手に出来ないその日常は、
当時ですらいとおしいもので。
なぜ、忘れていたのだろう。
テレビの中、笑いながら話すその顔に記憶を呼び戻され。
まるで既視感。きっとそれは忘れ物ではなく。
大事すぎて何気なさ過ぎて、心の奥にしまいこんで
しまったもの。遠く離れて蘇る記憶。
鍵をかけるように心の奥にしまっていた記憶は、
今はもうすぐ手の届く場所へ。
ただただ私を切なくさせる過去の記憶は、
やがて思い出す度私を笑顔にさせるもの。
大切な思い出はいつでもそばに。



2006年01月03日(火) 永遠の場所

同じ思いをするためだけに帰る場所がある。
どこにいても何を見ても優しさしかない
その場所は、私を簡単に子供にかえす。
そして簡単に泣かす。
水道の蛇口をひねるだけで、思い出が
あふれ出てくる。
大切な人の為だけに施された内装。
使い勝手のいいそれを、結局味わう事無く
逝った人の代わりに使えばそれだけで、
私は簡単に幼いあの日に帰って行く。
もっと立派になるからと、手を合わせる度に
出来もしない誓いを立てるのは何回目だろう。
手を合わせたそばから溢れる涙。
隣からは賑やかな笑い声。気づいてもきっと
放っておいてくれるはず。
もう一度手を合わせて、やっぱり誓いを立てる。
今度は大切な人の事を。
私の一年は毎年ここから始まる。



とある田舎の風景−ワタシノカエルバショ



2006年01月01日(日) 明ける空

1月1日。私は故郷へ運んでくれる電車に揺られながら
目をつぶり、考えた。今年も無事年が明けたな、と。
それは、毎年年を越す度に思う事。
そう大層な生き方をしているわけでもないけど、
毎年年が明ける時は感謝の言葉を発してしまう。
そして世界中でお祝いの言葉が交わされる。
誰もが飛び切りの笑顔になって、おめでとうと声を
掛け合う。普段仲のいい友達や仲間も、この日ばかりは
少し改まって、昔ながらの言葉を交換する。
久しく会ってなかった家族に会える。友達にも。
昔は電話で。今はメールで、皆が皆を思いやる日。
お正月は特別な空気が流れて、私にとってはとても大切な日で。
それはきっと世界中で新しい日を笑顔で迎えた人全てに
大切な日で。ならば、その思いからはみ出してしまった
人達はどうなるんだろう。毎年無事に新しい年を迎える私とは
違う思いで生きている人が世界中にいる。新年から重く暗い事を
考える私は、それでもそれは事実であってそれを感じる事は大切な
事なのだと、自分を正当化してあげる。
いまだ戦地で新年を迎えた人がいる。彼はもう何年目だろう。
子供達の涙が乾く事ないその土地で、子供達の命を刈り取る
爆音が鳴り止む事はない。あの子の将来の夢は何だったろう。
忘れてはいけない事がある。年を越える度に増える痛みがある。
2006年、新しい年。希望に満ち溢れた日は始まったばかり。
あけましておめでとう。今年こそ、世界中が平和へ近づきますように。



日本のお正月−アケルソラ


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