快賊日記「funnyface」

2002年11月30日(土) 夢の住人

それは決して覚めない夢。
覚醒、はなくていい。目覚めの時は終わりの時。
甘い言葉で囁いて、慣れた仕草で誘われて。
瞼が少し揺れる時もあるかもしれない。
それでもこのまま覚めずに夢の中。
目指すは終わらない夢のその向こう側。
例えば誰かの夢でもかまわない。
その誰かが目を開ければ消えてなくなってしまうほど
儚く清いこの物語。その物語こそが僕らの夢。
どうか、目を覚まさないで。僕らはずっとここにいるから。
例えばその夢とは僕らの船。必死で漕いで夢を紡いで行く。
例えば覚醒は現実という名の社会。
そろそろ諦めきれない夢を引きちぎれと優しい人が僕を諭す。
例えば誰かの夢は仲間の誰か。
同じ夢を持つその仲間の夢の中になら喜んで溶けて行こう。
そして僕の夢もまた、君のために喜んで捧げよう。
これは覚めない夢だから。覚める必要のない夢を
いつまでもいつまでもこの胸に抱きしめて。
一つ一つ叶えてまた終わらない夢を見る。
だって僕らは夢の住人。



2002年11月16日(土) 愛おしい人

愛しい人というのは離れ難い。
もう大切で大切で仕方ない。
見てるだけで嬉しくなるような、そんな人。
泣いて笑って、つまらない事で落ち込んで。
それでもすぐにそれを忘れて同じ失敗を
繰り返すような、そんな愛しい人。
それはいつまでたっても少女の頃の
面影を残す母親みたいな人だったりする。
私はそんな人を喜ばせたくて一生懸命差し出す。
そりゃもう目一杯。本当はわかってても。
本当はそんな事より喜ぶことを知っている。
きっと元気ならいいと言うだろう。
無理をしないでくれたほうがいいと言うだろう。
でも今の自分には他に何もないから、
やっぱり何かしたくてちょっと無理したりしてしまう。
ただただ喜ばせたくて。そんな子供じみた行為をするのも
その人が愛しいからだと思う。
だから自分はまたこれからも頑張るんだ。
愛しい人達のそばにいたいから。大切にしたいから。
また今日も一生懸命前に進む努力をする。
大切にしたい、愛すべき人達のため。そして自分のために。



2002年11月11日(月) 罪と罰と懺悔と贖罪

愚かな行為だと知って止められない事が人には
あるのだろう。それが他の物を傷つける行為だと
いうのに…。そこにあるのは人間の本能なのか。
酷く残虐な行為を繰り返しなおその咎を受けないのは
相手が人ではないから?その猫はからだ半分が焼け爛れ
それでも生きていた。耐えたのか堪えたのか分からない。
もとより危害を受けた時に動物の心にそういうった感情
の流れが発生するのか分からない。でも痛みは、ある。
私達のほんの十分の一の体の彼らが受けた痛みとは。
火傷は私たち人間にもかなり痛いものだと思う。
それは傷の大小にかかわらず。しばらく痛みが引かないし
ヒリヒリとうずくような感覚も鬱陶しくて嫌になる。
それをあんなに小さな生き物が受ける。しかも人間の本能の
中にある残虐性というとても小さく始末に負えない一塊の
ために。そしてそれは理性というもので押さえられるはずの
ものなのに。彼らはそれでも人を責めない。種というものは
面白い物で例えば増えすぎれば自ら死に至るという。
ならば人の手によって傷つけられ続けた生き物達が
本能によって突き動かされるならば全ての人間を憎んでも
罰はくだらないだろう。と、そこまで考えて情けなくなる。
自分も人なんだ。そういう行為を平然とする人と同じ人なんだ。
そしてきっと同じ物を持っているんだ。吐き気がする。
だからこそひたすらに動物を可愛がる。こんなにも可愛いのにと
たくさん優しくする。それはまるでいじめられた子達の代償。
いつか嫌なテレビのニュースを見なくてすむ時が来るのだろうか。
町で追われるように小さくなって生きてる彼らを見なくて
すむようになるのだろうか。世界中の悩みを一人でかかえるような
そんな驕りを持つつもりはないけれど。それでもやっぱり
懺悔をしてしまう。愚かな人の行為に。少しでも彼らが傷つけ
られないようにと。いつだって許されるのは人間の方なのに。



2002年11月06日(水) 立派な人

立派な人になりたい。子供の頃から思ってた。
本当は今だって思ってる。いまさらながらでも、思ってる。
立派な人。社会的地位の高い職業についてる人はとても立派。
お金持ちだって人から見たら立派な家に住み羨ましいもんだ。
生活水準の高い人はやっぱり立派に見える。
それでも思い出すのは大きくて力強くて凛とした背中。
いつだって家族を守るため自分を犠牲にして頑張る。
自分の仕事に誇りを持って自分の信念を最後まで貫き通す。
年を重ねる度苦労も増えるのに心はさらに強靭になっていく。
いくつになったって向上心は忘れず勉強に励む。
たとえ無駄と分かっても人のために涙を流す。
たとえ報われなくても不器用なまま生きて行く。
たくさんたくさん背負い込んでそれでも飽き足らず、
またゼロからスタートだと笑って言える。
その笑顔を見るとその背中を思い出すと涙が止まらない。
もしなれるなら。もし淀んだ世界を難無く受け入れてしまった
自身でも。暗く沈んだ水の底を写してしまったこの瞳でも。
洗っても落ちない泥をそれでも掻き毟るようなこの両手でも。
そんな自分でも許されるなら…。
もしなれるならそんな人になりたい。そんな立派な人になりたい。
それはよく知ってる父の背中にも似て。
だからやっぱり涙が止まらなくて。一生懸命その姿を
ずっとずっと追い求めて生きて行くんだ。
そのあまりにも立派なその姿を嬉しそうに思い出しながら。


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