Distortion
--甘い種--
全ては空白
甘い果実は一つも無い
今 この目ではっきりと見えるのは
黒い憎悪の塊
私はもうあやふやで
実の成る種を噛み砕いた
今 この先に待っているものは
何も無い場所
帰れるのなら今すぐに帰りたい
途切れることもなくなるだろう
いっそのこと自分さえも
噛み砕けたらと願う
2003年08月29日(金)
--あお--
見えない空は今も
頭の上に広がっていて
続いていく青い草は
色を失っていく
流れるものを止められない
気持ちが流れるのも同じ
雲に消されてしまえればどれだけ感情を失えるのだろう
青い青の中にとけてしまえれば
どれだけ涙を流さずに済む
私の形が壊れるまでに
2003年08月28日(木)
--本当の形--
虹が咲く日に 心は少しずつ曇りゆく
果てないそらのはるか先に
始まりを見ようと視線をやる
鮮やかな虹と白い心
あなたならどっちを選んだ
この手はあなたを掴めない
求めるものは変わらなくても
隣にはもう居ない
2003年08月23日(土)
--言葉--
言葉が息を止めた
私から出てこない
ただほんの
ありきたりな言葉だけが
話すためだけに
ぽつり ぽつり
途切れそうなほどゆっくり
そっとでてくる
2003年08月15日(金)
--描いた空--
私だけはと思い込んでいた
描いた空が輝いていて
いつか星が飾れると
心のどこかで思っていた
星が泣く頃に
空に居場所を見つけ
あたりを漂いながら
ふわりと自分を見つけた
私だけがこの場所に
居るものと思い込んでたけど
ほかにたくさんの人々が
私と繋がっていた
2003年08月11日(月)
--果て--
果てを見た
夢の中で
振り向けば
夜がきていた
目の前の朝の向こうには
夜が歩いて
その先には
遠い夢
遥か果てに
2003年08月08日(金)
--ひかり--
暖かい響きに重ねられたら
消えない傷もなくなる気がする
一時の揺らぎや波は乗り越えられても
長い長い時のスキマからは抜け出せない
果てがない道を歩くように
私は1人で
目の前まで
2003年08月04日(月)
--花火--
飛び散れば美しく
空に消えれば寂しい
一時の彩り
一時の命
2003年08月03日(日)
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