Distortion
--甘い時間--
貴方を愛した日々は
いくら時を手繰り寄せても
見つかる素振りさえしない
偽りの中で生きていたのか
「不必要だ」と捨てたのか
そんなの解るはず無いのです
憂鬱に笑えば
貴方の顔が思い出せるなんて
甘い考えでいても
思い出せるはずなど無い
貴方は私の中で
とっくに息もしていない
2003年09月22日(月)
--生きる--
正しいはずだと心の中では解っていた
明るい光が闇を照らせば
私は救われるんだと勝手に感じていた
いつかくるべきその日は
細い指が私と繋がるときと同じ
失敗が許されない規律のもとで
長い間ゲームで遊ぶ
私が思い込むその日がくるまで。
2003年09月21日(日)
--影--
願ったものは朽ち果てる
響くノイズに身体を絡ませながら
願い届くものと信じた
この心を海に浮かばせる
ゆっくり重い闇の中を
指に繋いだ糸を頼りにして
前へ前へと
形を紡ぎだした後に
歪むノイズをばら撒きながら
私の欲するものの全て
小さな袋に詰め込んだ
もっともっともっともっと
2003年09月20日(土)
--迷信--
ただの過信だと
どこかで思っているのですか
不安ならば受け止めなくて良いのです
私を受け止めるといった
とても難しい役割を
無理をしてやらなくてもよいのです
2003年09月14日(日)
--取捨選択--
私が選択できるものは
縋れない程に大したものではない過去と
同じところをぐるぐると回る思考
どちらも必要ないのですが
捨てては駄目ですか
2003年09月09日(火)
--雨の夜--
血の雨の降る夜に
君の歌を歌おう
浅い傷もいやせる気はしないけれど
私の小さな存在で
して上げられる事はこの程度
星が見てる
赤く染まって
太陽が傾くときは過ぎた
君は見ない
今はもう
月が綺麗に咲いてるはずのとき
2003年09月08日(月)
--エゴ--
私のエゴは拡大をする
君が止めてと叫んだって
だんだんに重くなるばかり
もう無意識のうちに進んでいって
苦しみが連鎖する
断ち切れない
私で途切れるのも嫌
2003年09月07日(日)
--苦しみ--
すぎた時間はいくらでも思い出せるのに
目の前に待つ時間は何も想像できない
私が踏みさえすれば
その跡が焼き付けられる
汚く荒らされた一時は
私の中で深くのこる
苦しい呼吸が
いまでも伝わってくる
2003年09月06日(土)
--空気--
この身体で全てを吸収して
青く澄んだ空と同化
昨日の道をかき消してこれからを進む
今風が吹けば
完全な姿へと変われるのかもしれない
忙しく動くのと
ゆっくり佇むのと
どちらがお好みで?
2003年09月05日(金)
--愛の花--
窓の外の景色揺らぎ風が吹く
青い緑が静かに揺れているけれど
やがて色あせるのでしょう
黄に赤に
どちらの時が満足なの
世が荒れれば命短くなるだけで
何を求めているのか解らないまま
私の目の前で散ってしまうのですか
愛の花はとても弱いもの
2003年09月04日(木)
--虚言の渦--
心の中で孤独と遊べば
虚構が生んだ人間が過去を綺麗に作りかえる
一緒の時間など存在しない
私を襲う言葉は
きっと満足するためにあった
快楽の足枷
最後には楽しく笑ってた
虚言がお似合いであれば
昔もとても綺麗なはずで
白と黒の境界がわからないほど
綺麗な嘘を作るのが得意
さあ神様 見ているのでしょう?
このような私に裁きを!
2003年09月03日(水)
--悪魔と勇者--
この身を襲った大きな影は
夜明けと共に力を奪った
例えば私の小さな力が体を動かすためにあることが
武器を失ったとき無力にするように
小さな悪魔が体に住み着けば
もう抵抗もできない
さあ剣を持て
自分をすべて捨てて
その身を刃に変えて戦え
2003年09月02日(火)
--月の光--
今でも揺らぐ水面には
光が陰る月が浮かぶ
届くはずの無いその美しい声に
唯一の愁いを投げかけた
私の存在はあなたの中に
色あせた写真として残っているの?
月が見せるその輝きは
太古の空気を潜り抜けて
あなたに私を焼き付けた
古くなっても気づかないでいる
私はもうあの時とは違う
平穏が訪れた水面には
傾きかけた月が落ちる
私が抱くあなたの意思を
そっと静かに泉に落とす
2003年09月01日(月)
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