Distortion


--透明思考--


一人で舞台に立つこと

一人でおうちに帰ること。

全部当たり前に見えて淋しいもの。

最初で最後のこともあって

この命がいつ消えるかも解らなくて

いつ起こるのか解らない恐怖に

いつもいつも怯えている。


2002年10月22日(火)



--過去の記憶--


まっすぐに伸びた髪は私には不釣り合い

景色が歪むのを見たとき

それはとても怖かった

もう普通に戻れたと確信していたのに

ふと、引き戻された




2002年10月21日(月)



--大きいもの、小さいもの--


目覚めたときにまだあたりは暗かった

私のことを見たくないというお日様と

私のことをさげすむように鳴く鳥

でも そう思っているのは私だけで

こんなちっぽけな存在に、大きなもの達は興味すら示さない


自分の淋しさを別の何かに置き換えて

自分の小ささを嘆く




2002年10月17日(木)



--恐怖--


言葉に飢えている

心の中で外に出されない無駄な感情たちが

外へ出せ、出せと私に喚き立てる

そして、外に出られなかった言葉は

私に無意味な空想と、絶望的な恐怖を与えて

いつのまにか朽ち果ててしまう


私が毎日怯えているものの正体は

私の中から湧き上がるもの

正体は解っているのにいつまでも放っておけない

けれど私は無力で、何も出来ないから

ずっと怯えていくだけ



2002年10月16日(水)



--雲に隠れ--


雲の中に隠れていても

きっといつか見付かってしまうから

独りで居れば何も失うことは無い

けれど初めからこの手の中に持つものは

何も無かった

失うことすら知らなかっただろう


独りだけで歩けるなら

初めから私は其れを期待していた

空を流れる雲 落ちる雨

全て私には要らなかった

独りで自分の存在をかき乱すのが生甲斐に


あなたの事を知らなかったら

私はきっと苦しまなかったんだろう


2002年10月06日(日)



--彼岸花--


目を閉じ体で時を感じたら

冷たくなる風に気付く

一日が終わることと共に

綺麗な彼岸花が脆く崩れ去るときに

人の魂もゆっくり旅立っていく

そう信じても良い?


時の流れには如何頑張っても

逆らうことはできない

傷のついた記憶手繰り寄せて

もう一度作り直そうとしても

私の中でずっと


そしてもう一度望めるのなら

ただ普通に知りたかった全てを


綺麗に飾って彼岸花は咲き誇った

ほんの一瞬の輝けるときのため

私とはちがう

出来ることあるはずなのに

目をそらしてばかり

そんな私でも今ここに居られる

居ても良いですか?

飛べる日がくるまで。


2002年10月05日(土)


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