Distortion


--言いたいけれど--


空を見上げた途端に眩暈

しなる電線が私に笑う

ある日気付いた

でももう遅い


さようなら

言いたいけれど


さようなら

言いたいけれど


2002年05月31日(金)



--悲しい歌--


悲しい歌で目覚めた日は

一日がとても暗い

私の目が見る太陽が

とても暗く感じる


悲しい歌は私の心に

なぜか潤いを与えてくれる

唯一 与えてくれる

他のものは私に潤いなんて与えないのに


嬉しいけれど

暗く悲しい一日


2002年05月30日(木)



--日々--


役に立たない言葉の羅列

それでも続けていくことの意味

私すら知らない理由

意味を持つ言葉の羅列

他人の視点から見た私の言葉


力なくしな垂れた造花のように

日に日に力を無くしながらも

私は生きて言葉は死ぬ

言葉は生きて私は死ぬ


2002年05月29日(水)



--縫合--


貴方の自由は保障されてる


私の自由は保障されてない

右肩のばらばらの傷が整理されてないから

縫い合わされるべき身体を

自然に委ねて


しみる風が心にもしみて

寂しさを呼ぶ風はもうこないでと

空に向かって叫んで


もう居ない

自由が保障されていたから

私のことなど考えたりしなくていいから



2002年05月28日(火)



--学校--


近づかないで

近づかないで

踏みにじった心はとても綺麗でしょう?

それでも変わらない思いを憎んでも

何も変わらない


離れないで

離れないで

たとえ嫌われていたとしても

私は寂しさが苦手なの

独りの怖さを知ってるけど

貴方は知ってるのかな


きっと知らない

私のかたに当てはめたくないから

静かに窓の外を見つめているわ

静かに風そよぐ窓の外を


2002年05月27日(月)



--貼り付けた想い--


目をあけたら 近い天井が

私のことを押しつぶそうとする

眩暈から助け出してくれるわけじゃないのに

そんな近い場所で待ち構えないで


揺らいでるのは私なの?

それとも周りが無理して隠してるだけなの?

壁に貼り付けた想いが

余りに大きすぎて破れ落ちてしまう


思い切って天井に

貼り付けて見たら

動けなくなってしまった

釘付けのこの目 疲れ果てるまで

見続けて


2002年05月26日(日)



--汚れ--


つきがぼやけて

服がかすんで

全てが汚れている


涙を溜めて洗っても

涙の量が足りないと

五月蝿いからまだぼやけてる


2002年05月25日(土)



--愛ということば--


わからない

気持ちが

愛してるといえないから

伝わっていないのかもね


君の嘘が本当なのか

私の目にはどちらとも映らない

それはこの心のせいなのか


2002年05月24日(金)



--嘘吐き--


嘘だって

嘘だったって

早く言って


私はもう言い返す気にもならない

明日がきても今日のまま

何も変わらない事になるから


貴方が

嘘だって言って

全部嘘だって言って


それだったらまだ間に合うから

今のうちにいって

嘘だって。


2002年05月23日(木)



--綺麗な赤--


薄れる意識の中

蘇る赤が

私の腕に降り注いだ

払っても取れずに

まとわりついて


開いた隙間から

流れ出てくる涙達を

掬いあげて天に翳して

顔にあたる綺麗な赤を

ずっと眺めていた


2002年05月22日(水)



--信じて疑う--


信じることを疑って

其れは当たり前だと言い聞かせられた

其れは正しいこと


心は反発して

私さえ跳ね除ける


信じることは委ねること

覚悟無しでは出来ないこと。


2002年05月21日(火)



--変化しない自分--


首から下げた鍵を無くして

扉の前で立ち尽くした


ここさえ開けば私は変われる

いつも思ってばかりで

何もしようとしないから

私は何も変わらない



2002年05月20日(月)



--具現化--


かすれる声が涙を呼ぶわけでもなく

この一日がとても長くて

苦しいのかすら解らないけど


夜には力を込めて

人形の首を締めた

私を移して

力を込めて





2002年05月19日(日)



--無力な子--


人に言われて気づいたこととか

そんなものをすべて放り投げても

私の肩にかかる重さは

何一つ変わりはしない


闇さえとても重くて

私の力を奪い去って。


無力

とてもお似合い

そういわれたときは少し嬉しい


2002年05月18日(土)



--闇の中で--


闇を誰かが切り裂くなら

この身も消えてしまうけど

飲み込まれてしまった

私を助け出さなくても良い


夕暮れの赤にも涙を流さずに


力なく 切り裂いて


2002年05月17日(金)



--突然--


突然私が死んだとき

貴方はどうするのだろう

嘲笑するのかそれとも

悲しんでくれるのか


今の私にはわからない

だって貴方のことがわからないから

貴方の全てを知りたいとは思わない

自分を教えなければいけない


2002年05月16日(木)



--サボテン--


私が見上げた空は

みんなの目にも同じように見えているのかしら

灰色の今にも涙が零れ落ちそうな

力ない雲が泳ぐ


水の無いサボテン

それでも生きていられる

羨ましいと何度思っても

私は生まれたときから弱い?


貴方が幸せなら犠牲にでもなれると

そう昨日まで思い続けた

けれど私は私


苦しみたくないなんて我が儘じゃない


2002年05月15日(水)



--他人の吸収--


一つの場所の中に

それ以上の人間

私であろうと誰であろうと

他人を素直に受け入れたりしない


狭いからじゃない

怖いから

踏み込まれることが怖いから

奥に居る自分を知られたくないから


案外見つかりやすいところに居るから


でも別にその閉塞を望んでいるわけじゃない


2002年05月14日(火)



--一人の夜--


一人の夜が繰り返されているの

昨日と同じ夜だけど もう涙が出ない

貴方が私に笑ったのはいつ?

思い出そうとするけれど

記憶は全て混ぜられてしまって


その声が遠くにあって

この耳を邪魔するのは何

塞ぐなら早く塞いで

心が怯える前に


私だけじゃないと思っていたら

貴方も同じだった


犠牲になるのは私で良いから

貴方だけでも助けたいの


2002年05月13日(月)



--花束--


信じていたものがなくなったとき

どうすれば良いのだろう

花束を持って歩くのは悲しい


私の花はもう咲かないから

芽のうちに摘み取っておいて

貴方が消えるときには

其の手に掴んでおいて


そうすれば私は幸せ


2002年05月12日(日)



--幼き日--


夢の中で見た 小さな私

ブランコ漕いで 砂で遊んで


暗い雨の降る夜

水溜りで遊んだあの日


涙をはじめて流した

一人ぼっちの自分がそこにいたから

見えるはずの夕焼けも

私の体を焦がさず消えてた


白い雪の降る朝

道を踏んで遊んだあの日


2002年05月11日(土)



--眩暈のする空--


見上げれば白い雲

緑の縁取りを満たして

目に入るのは冷たい雨水


明るくなっていく空を

いまは見ることは無いけれど

いつまた戻るかなんて

保証は無いの


2002年05月10日(金)



--幼い私--


森の中に一人私

大きな木に小さな私


一人だったあの日

ひざを抱えることも

泣くことも出来なくて

ただ白い布の上に

この体を横たえていた


今も同じ

一人で今度は森の中

遠くからは人の笑い声


どう励まされても

私は一人


2002年05月09日(木)



--伝えたいこと--


かすかに聞こえる鳥の声

風に揺れる木の葉の音

聞かせたい

皆に聞かせたい


私には

言葉で表すぐらいしか出来ないから

伝えられるか不安だけど


一人だってことも

伝えたい


2002年05月08日(水)



--花びらを持たない花--


静かに

追いかけられるように

静かに

私の力を奪うように


緑が

私の視界を塞いで

穴に落ちて


真っ暗な場所 薔薇と共に

花びらを持たない花

私に何かを与えて

とげの無い花は折れた


2002年05月07日(火)



--小さな頃--


私の未来 見つめられてる

ココロの隙間は覗かれたままで

小さい穴から見える景色は

何色でもないタダの無色

期待はずれでごめんなさい


憂鬱な空と憂鬱な私

泣いたり笑ったりはもう諦めたの

小さい頃は忘れたふりする


笑ってごまかすぐらいまだ出来る


2002年05月06日(月)



--交差点--


私が笑った頃にはもう

お日様は沈む


食い違ってばかり

繋がらない

時間と心と人間と


良いって言っても

何にも変わらない

人は一人じゃない


私ばかり見ないでいい

笑うまで時間がかかるから




2002年05月05日(日)



--連結--


心のつながり

私との繋がり

貴方との繋がり

連結


私と?

きっと一方通行

そっちから一方的に

こじ開けてくれそうだって

期待してばっかりだもの


2002年05月04日(土)



--完全な破片--


ある日私が貴方に言葉を投げた

そうしたら跳ね返って私に刺さった

周りは「死んだ」と叫んで

私を土に埋めた


無くせば忘れると思ったから


みんなみんな切り取られている

記憶のかけらを覚えていない

もともとないと思っているから

もともと無いものにされているから


糸の端を繋ぐように

かけらがあるべき場所に戻ったら

全て思い出すでしょう

あの日のことを

あの日私がした過ちを


2002年05月03日(金)



--太陽に自由を--


伝えるならそう言って

この雲が流れてしまう前に

太陽が見えて仕舞うのは

私が悲しいこと


長い命を輝くことにしか使えない太陽

それより自由なんだから


嫌なら嫌でもう良いの

代わりにずっと光っていて

太陽に自由をあげて


2002年05月02日(木)



--五月の風--


五月の風の柔らかい匂い

晴れた空より濁っているほうが似合うから

私は雲を呼ぼうとするの

光は要らないから


私から記憶を奪わないで

重い強い風に体が耐えられない

左腕の傷も風化していく


持っていくのなら

私自身を

消し去るのなら

私自身を




2002年05月01日(水)


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