Distortion


--こもりうた--


愛に包まれて生まれてきた貴方

この腕に抱かれて

ゆっくりとお休みなさい


空に散らばる星たちは厚い雲の上

それでも光れるぐらい

強い人に成れる様に

私はいつも願っているわ



2002年06月29日(土)



--投げやり--


この気持ちは形が無い

何かに押し込めて伝えないと

きっと誰も解らない


陽を見させて

もう一度だけ

気持ちを投げている私を助けて


2002年06月28日(金)



--泣かない--


もう泣かないのなんて

何度言ったことか

言った後直ぐに

泣いてばかりいた私



弱い子

強い子

私はどちらでもない

こんな私はだいっ嫌い


2002年06月27日(木)



--星の降る夜--


幸せの形は少しずつ出来ていく

幸せの形ができても崩れていく

星が降る暗い夜に

何時の日にかした願い事は脆くて

気付いたときには既に

記憶からも消去されようとしていた


それほどのものでしかないのだから

願い事として成り立つわけでもない

私の星があるならきっと直ぐに

燃えて無くなるでしょう

消えて無くなるでしょう



2002年06月26日(水)



--どちらか--


魔物が私の目の前で

苦痛で顔を歪めていたら

手に持っていた剣で

永遠の眠りを呼ぶのかそれとも

少ししかない水を飲ませてあげるのか

解らない でも

助けたい気持ちに変わりはないの

たとえそれが人間とは違う生き物だとしても

犠牲になるのは私だけで十分

だから助けてあげたい


魔物が力強く走る姿を見たくて

私は水を飲ませてあげた


2002年06月25日(火)



--偽物の鎧--


にせものの鎧を纏って

それでも幸せなの?

偽りの幸せまで纏って

笑ってくれても嬉しくない


音を立てて崩れるときが来るまで

私は待つわ

嘲笑ってあげるわ

いつか貴方がしたときと同じように。


2002年06月24日(月)



--行方不明--


生きるために

と走り続けたことを

こんなにも後悔するのは何故?


行き先さえ告げられずに消えた

その背中を追うことだけしかしなかった

私を罰してるのかも知れない


空に雲は無い

今更気付いても

貴方に言えない

貴方が居ないから




2002年06月23日(日)



--行ける場所--


目の前で繋ぎとめられている時間は

ここに居る私が行く場所

現実に縛り付けられていると

時間が言っているとしても聞こえない


さぁ 走り抜けて

痛みが届く前に

ここに居るのは私だけでいいから

さぁ 忘れて

私が涙を流す前に

ここに居られるのはあと僅かだから


2002年06月22日(土)



--色の力--


空の青

樹の緑

陽の黄

血の赤

水の無

夜の黒

色の力


2002年06月21日(金)



--傲慢な奴--


水に打たれ洗われた

それでも綺麗にならないもの

それを見つめて 見つめなおして

初めて知ることが出来ること


水に打たれて知ることができること

沢山のことがあって

私は全てを得ようとする

傲慢な奴


2002年06月20日(木)



--同じ手--


挙げた手

嘘をついた手

頑張った手

全部同じ

思いを伝えるのにつかった手と

自分を潰すのにつかった手が同じだなんて

思いたくない


今朝この髪に最初に触ったのも

今朝私の服に触れたのも

全部この手で変わりは無いけど


なんだか思いたくない


2002年06月19日(水)



--覚悟の脆さ--


今までの私の覚悟は

麻紐のように脆く

直ぐに他に繋ぎとめてしまうの

だからもう止めようと思っていた

今の私の覚悟は

麻紐のように脆いけど

千切れるまでやれること出来るはずなの

だから結ばないで

ほどけてしまった時

ちぎれるから


2002年06月18日(火)



--もう、誰も--


後ろから眺めていた景色は

今までと違う色をしていた

目の錯覚

景色が違うだけ

どれも違った


私の居場所が違うから


ここに居たって誰も責めたりしない

今日からここで過ごそう


2002年06月17日(月)



--懐かしい背中--


薄れた人の背中が

妙に懐かしく感じた

尖った物の綺麗さが

妙に怖く感じた


綺麗なものを見る目は輝いて

赤く光る目がとても嫌い

いつもささやかれているような

ずっとささやかれているような



2002年06月16日(日)



--私を見ていて--


ありのままの私を見て

嘘を言ってでも見てるフリして


優しさの背に乗って

背伸びしている私がここに居るから


笑っていられるときは少ないだろうけど

見ていられる時間はきっと長いから

私がもう二度と戻らないとしても

見ていて

ずっと見ていて


2002年06月15日(土)



--苦悩--


目の前にかかる霧を

振り払えなくて苦悩した

悩むだけ悩んだ後に

残ったのは自分の両手


両手が塞いでいた

心もきっと同じ




2002年06月14日(金)



--砂の感触--


喜びを素直に伝えられずに

それでもちゃんと生きている

けれど私は砂を掴むような

感触だけしか伝えられない


感謝という大切なものも全て

伝えられないなんてなんておろかな人間


2002年06月13日(木)



--生きている言葉--


言葉は生きてて

其の日のうちに使わないと直ぐ腐る

言葉は生きてるから

大切にしてあげないと嫌われてしまう

可愛そうなことはできないから

丁寧に撫でてあげる

やさしく そっと


2002年06月12日(水)



--崖--


目の前の崖を見つめると

一面に小さな穴があいていて

一つに指を入れて押すと

音を立てて崩れ落ちた


まがいもの

笑えること


紛い物を手に入れたときのような

妙な達成感を味わって見た


2002年06月11日(火)



--空へ--


夢と星が糸を紡ぎはじめて

私の腕に絡めて縛り上げた


空へと連れて行ってくれると

約束していたわけでもないのに

何事も無かったように

私を空へと 高く高く持ち上げる


苦しいわけでもなく

辛いわけでもなく


ただ浮遊感だけが

ここにも残る。


2002年06月10日(月)



--お月様--


お月様

どうかみていて

私がこれから何年かたったとき

どう変わっているか

見ていてください


他に私のこと見てくれてるの

居ないから

ずっと見てるのはお月様だけ


2002年06月09日(日)



--違いに気付いた--


足が土塗れ

地面に横になって空を見ると

そこにはいつもと違った空があった


私を見てる


横を見ると

いつもと違ったものがあった

人が見てる


同じようで違う視線


違うのは蔑んでること


2002年06月08日(土)



--口元--


折鶴の首が折れたとき

笑った口元

微笑みに嘘はないと思っていた気持ちを

良い意味で崩してくれた


潰れない力を持った笑顔

嫌な気持ち

たくさんのものを持ってる


そんな人は嫌い。


2002年06月07日(金)



--立場の違い--


星のような貴方

雲のような私


届かないのは解っていて

空を眺めているだけ


見つめられることだけが幸せ

それ以上は求められない

不幸じゃない

幸せでもない


2002年06月06日(木)



--人と人の距離--


嘘と真実の境は曖昧

境界線は引けないから

「自分を信じて」生きていくけど

嘘へ踏み込んだときは抜け出せない


その嘘さえ嘘だったときには

その人はどうすればよいのだろう

後一歩だけ後ろに下がっていれば

踏み込まずに済んだのに


人と人の距離

関係は少し遠くで




2002年06月05日(水)



--壊された私--


私を壊した後に

修復してくれたみたいだけど

前と形が違うのは何故?

進む方向がいい方向に変わっている


信じてた昔の人は

私を怯えさせただけで

苦しめていた

何もかも壊して



2002年06月04日(火)



--変わらないもの--


保存された色

流された土台

動かされた位置


変われないものは

私の存在


其のひとの心の中の

私は変わらない

私が私を壊さぬ限り




2002年06月03日(月)



--魚--


明るくなってから眠りについて

少し高くなった陽を見て目覚める


普通でありたいとかもう関係なくて

縛り付けた手首が痛む

押さえつけた感情と

共に動き出して

止まらなくならないように


泳ぎだした魚が

ひたすらに泳ぐように


動き出して

止まらなくならないように



2002年06月02日(日)



--雨に溶けたら--


雨が降ってもかさは要らない

濡れたまま立っている

溶けるのを待って 待って

待ち続けて

でも ありえないのは解る


嫌なら今消せば良いと

夢でそう言った人は

雨を嫌っていた


生きている証

冷たい水は体を冷やし

引き戻すからと

そう言っていた


溶けたら同化


何と? 何と?



2002年06月01日(土)


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