Distortion


--課題--


言葉は冷たすぎた

私はあやふや過ぎて


切った紙を細かく千切って

ひらひら息を吹き込む


今日やることすら投げ捨てて

天井じっと見つめる


言葉は冷たすぎた

私は確信がもてなくて


2002年01月31日(木)



--虫--


手の中の虫は するりと逃げた

目を光らせ闇の奥へと

追いかけて 挙句の果てには

今来た道が黒に紛れる


転んだのを見届けて嘲笑うように飛んで




2002年01月30日(水)



--流れ星--


お星様が流れたから

願い事一つ願いましょう

きっと叶うはずよ


それが

あなたにとって幸せにつながるものなら

お星様も見ていてくれるわ


願いは叶ったけれど

いいのか悪いのかは分からない


だって

お空から仮面が降ってきたもの


2002年01月29日(火)



--不安--


窓の外 青空

カーテンの向こう 知らない人影


見えないその人たちに怯えるだけ

目を凝らして見れば不安の集まり


嗚咽だけが漏れる

12時を過ぎたベッドの上


2002年01月28日(月)



--白い部屋--


夜明けは見られずに

そのままで外へ出て

涙を流しながら雨に打たれる

どれが自分の涙だかわからない侭

私と共に溶けて無くなる


叫んだところで所詮無力で

喉が潰れてもなんの後悔も無くて


白い部屋を思い出した

感情の欠片すら掃除されて何も無い

膝を抱えてうずくまる

どちらが天井?


窓の外に見える景色

雨に溶けるひとつの存在

どちらが私?


とりあえず 部屋の中から笑ってあげた


2002年01月27日(日)



--妄想の世界--


私について離れない恐怖

負けた私は地に伏せた

何も無い 有るのは不安だけで

冷たさも感じなくなった


吐く場所が無いの

たまった全ての物

これ以上が無い


ココはきれいなままで

灰色に汚れた私の世界


外を降る雨が

流してくれると期待してたのに

私なんて流す訳が無かった


きれいなのは妄想の世界


2002年01月26日(土)



--優しい言葉--


優しい言葉は

私に語りかけるけど


拒絶して 跳ね除けて

自分の手で孤独を作り上げる


甘えたいだけなのに

犠牲になるのは自分

雨を捨てた紫陽花 きれいに咲けずに

醜い色で枯れ落ちる


首を絞めるのは 紛れも無いこの手

もがけばもがくほど息が出来ない


2002年01月25日(金)



--自分の足--


いつも側にいるよと言われても

結局私は一人のままで

それでも生きていけると

私に思い込ませて


良かったのかわからないこと

それでも夜が明けて日は昇る


時の中で 私は

立ち続けていて

歩みを止めず いつまでも

落ちてる恐怖と

飾ってある喜びを 探す


2002年01月24日(木)



--飽和--


同じコトを繰り返し繰り返し聞かされて

いいかげん聞き飽きたの

言ってる貴方は楽しいかしら?

耳を塞いでも聴こえてくるその声


言うなら早くして

言わないなら口を閉じて


わかろうとしてないくせに


2002年01月23日(水)



--犠牲--


水が無ければ生きていけない

なのに私は見捨てられて

朽ちた身体を覗き込めば

中身の無い丸い管


感情をあげるわと

毎日話し掛けられた

それでもある日突然

その人は居なくなった


涙を流すにも水が無くて

一緒に命も乾いた


2002年01月22日(火)



--剣--


剣を抜けば強くなれる

信じ込んで戦った

目の前の光景を呆然と見て

無力さだけが漂う


他の何も出来ないと思って

ここへやって来たのに

意味の無い存在だと

今になって気づいて

自分に突き立てた


もう十分だと目を閉じて

湿った地面に身を伏せる

手にしていた剣は飾り物とも知らずに


2002年01月21日(月)



--島--


一歩踏み込んだそこは 見たことの無い島

私の分身たちが 当たり前のように歩いてる

同じ顔をして 同じ姿をして

それでもそれぞれが幸せを 喜びを感じてる


でも どうして

私には何も無いのだろう?

立っているだけだから 歩こうとしないから




2002年01月20日(日)



--写真立て--


写真立てにひとつの思い出

小さくて大きな想いを

写る私は持っていたのに


今は現実すら見逃してしまうの

正しいことも間違いも何もかも


私が見てるここは何処

大切なものはこの手の中?


2002年01月19日(土)



--安らぎ--


馬鹿にしないで

やさしさだけ与えれば良いなんて

そんなに簡単じゃないわ


かみそりはもう錆びた

貴方はもう無力だから


目を見たくないの

その鏡に映る目すら見たくないの


かみそりを貸して

本当の安らぎをあげる




2002年01月18日(金)



--憎しみ--


傷から出た膿が 私を伝いながら

涙と混ざって冷えて固まった

光が照らしてくれても

やさしくなることは無くて


悲しみはいつの日にか

海へと帰るでしょう

広い自由へ


閉じるべき門は 錆びて動かない

油すら 意味をなさずに

ここから逃げたしたくても

二度と出ることは無くて



悲しみの果てには何があるの?

やさしさが代わりにはならない



さあここで傷を塞いで

私の安息は此処にしかない


夢の世界は朽ち果てて

やがて過去のものになる



2002年01月17日(木)



--星が生まれたとき。--


私が空で舞う星として生まれたから

月のあなたは必要なの

私は空で舞い あなたを飾って

そのために生まれた


あなたが居なければ空に居る必要はない

流れ星として落ちてしまいましょう

たとえあなたが私を見なくてもいい

あなたを飾れるならそれでいい


空で舞う星は 月の為に


2002年01月16日(水)



--鎖--


首をしめる銀色の鎖は

日が経つごとにきつく強く

息を奪われて


自覚さえ絡めとられて

私は何処なのと 泣き叫ぶ


2002年01月15日(火)



--最後の花--


窓の外に見える薔薇が枯れるとき

きっと私はここには居ない


花は死ぬときが一番美しいでしょう

持てる力を全て出して

その一輪を咲かす


最後の花は見たくない

先が無い そこで終わり


鮮やかな 華やかなときを

この目で見てしまったから


2002年01月14日(月)



--水鏡--


名前を無くしたから

ずっと探したのに

雲の向こうに

水に映る私の姿は隠れて

見つからない


水鏡に映るあなたは私?

お互い名前を無くしたから

何もわからない


2002年01月13日(日)



--砂時計--


『 一人にしないで  

置いていかないで

前はどっち

  道の先には何があるの 』


雨の降る道 土の匂い

私の気持ち 砂時計


2002年01月12日(土)



--忘れ物--


見られることが何より怖くて

お外に出ることも嫌がって

華やかな環境に憧れてた


輝く舞台は別世界

踊っていたときは夢の中


忘れた時に大事なものを置き忘れて

ただ今は素直な気持ちで。


2002年01月11日(金)



--初めてのきもち。--


居て欲しいと初めて思えた

言いたいことは未だいえてないけれど

どこかで繋がっているのは確か


見えない境で分けられてる

それでも貴方の言葉だけは

私の元へ流れてくる


2002年01月10日(木)



--名前--


冷たい傷を心に刻んで

風に当てながら道を歩く

ゆらいでもあるいていける様に

お願い 名前を呼んで


吹き荒れる風に 傷がしみて

痛いけれどあるいていられる


2002年01月09日(水)



--底の深い水溜り--


見付からない言葉にさえ 愛しさを感じて

足を滑らして水へ落ちる


這い上がれずに 時だけが過ぎて

寒気と眩暈に襲われる


不気味に笑う音が

頭の中で鳴り響く


姿形に拘ることなく

最後に腐敗し形を無くす


そこにある言葉さえ掴めれば


2002年01月08日(火)



--未来--


未来など要らないと そう思えた

先も過去ももう無い


あなたは

私が居なければきっと幸せになるだろうから




2002年01月07日(月)



--疑問符--


手のひらに刻まれた

沢山の文字は淡かった

手首に刻まれた

無数の痕は消えることなく


今もこれからも寄り添って

嫌だと拒絶したところで変わらない

なにもかも


過ぎた過去は罪と罰

来る未来は夢と希望?


思わない 思えない 思いたくない

疑問符はもう要らない

答えは今日が運んできた


2002年01月06日(日)



--光の矢--


光よ時間があるのなら

どうか私を貫いて

闇に包まれた私は

もう前を見られないので




2002年01月05日(土)



--蜜--


全ての花の全ての蜜を

取り出して煮詰めた

濃いその甘い香りは空気を

柔らかく熱く変えた


強い風よ和らいで

流れる時間よ時を止めて


今この時間をもっともっと

長い物へ


2002年01月04日(金)



--草のつる--


私は土を踏んで

草は私を絡めとる


身動きが出来ないまま 時間が過ぎて

いつしかお日様は姿を消した


日に日に草は大きく強く

なのに私は変わらないまま

草のつるに遊ばれる


抵抗できない私は

無力 そして 愚か


2002年01月03日(木)



--日食--


苦しい 悲しい 辛い

解らない

私の思いさえわからない

腕を赤く染めて

血に塗れた腕を見て ずっと泣いた

それでも


私は生きてるの?


お日様が消えて

何もかも

暗い影に飲まれて終わりが来た

さよならを告げた




2002年01月02日(水)



--カウントダウン--


数を数えて 目をあけて

さぁ私は何処に居る?

この道のずっとずっと先

追いかけて 背中を見つけて

最後に私を捕まえて


明日が来る前に

明日が来たら区切りがつくの

後少し 時間が無いわ


急がないと日が出てしまう



2002年01月01日(火)


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