Distortion


--想像の果て--


終わりを告げた 夢なのに

今でも未だ見続ける

先があると信じた 道なのに

目の前には何も無い


何を信じて進めばいい?

知りえないことばかりで

息が出来ない


そこに光は浮かんでる

私を誘うの

幸せの道へと


2001年12月31日(月)



--紛い物--


今まで見てきた夢は全て偽り?

今まで信じていた言葉は偽もの?

理由はもう無いから

答えは見付からない

歩いた歩数を数えていたけど

坂が急すぎたから 解らない


夢も言葉も過去も

紛い物?


2001年12月30日(日)



--追い風--


ゆらり揺れる木々を束ねて

安息をこの地へ


さもなくば私は転んでしまう

日が眩し過ぎて

歪んだ私は泣いてしまう


間違いに気付いて

追い風がまた吹けばと

何時までも願うが

縋ってしまったから

もう吹かない



2001年12月29日(土)



--別れ--


私を見ないで

愛など口にしないで

揺らいでしまうから


貴方の言い訳すら

もう 耳に入れたくなくて


さよならを聞いたから

街へ帰る 二度と戻らない

振り向きもしない


2001年12月28日(金)



--再生--


曇り一つ無いガラスを覗き

剃刀を出して傷をつけた

切り傷に沿って流れる水は

思いに反して 地に落ちた


ここから 逃げ出せるなら

閉じ込める箱を壊す


見上げれば大きな月が

蔑むように私を見下ろす

私は居てはいけないの?

傷をつけたココロが割れる


愛の味などわからないまま

こうして生きて歩くけれど

「愛されてる」そう人は言うが

私の皮膚に伝わりはしない


そうして 手をつけば

あたたかさ感じられる


無茶を言うけれど今は

その意味を知るために

沢山のものを壊して

おもちゃの様に組み立てる


ガラスで出来た飾りは

私を飾るには贅沢すぎて

綺麗なフィルムで私の

ココロを丁寧に丁寧に包む


2001年12月27日(木)



--花--



笑顔で花は 色を無くした

あせた花は静かに囁いた

静かに目を瞑り歌うの

空へ舞った 鮮やかな藍に向けて


自分を 傷つけてばかりいる

折れた刃は周りまで傷つけるのに

気付いて居ない?

それならいっそのこと私を切り取って


歌を聴いた花は 灰へと変わっていく

輪郭だけ残ってたけど

存在ごと消えていく


つぼみは太陽を 見ることさえ出来ずに

母なる大地から 足を離した

二度と 戻ることは無いのに。



2001年12月26日(水)



--麻薬--


あれば麻薬

無ければ麻酔

どっちにしたってあたしに必要

麻薬としての その存在が必要

独りじゃない

思うだけなら許される?


2001年12月25日(火)



--術--


言葉の欠片 刺さる痛みはやわらかすぎて

意思と反して私を乱した

文字を全て 線に戻して

他の文字に 作り変えて

雪よ降れと 願い続けて

変わりの無い 世界を動かす


外に 焚き火をして

出来た言葉を全て燃やして

伝える術を全てなくして


今なら貴方に会える気がする

それ以外に道は無いから


一度で良いからその目が見たい

一度で良いからその声が聞きたい

どんな目でも声でも良いから

一度で良い 聞かせて欲しい


どうかお願い その手で

私の世界を作り変えて

今まで他を知らなかった

だからこれから知っていくの


私は思う

言葉無くとも

きっと思いは伝えられると

だからはじめに貴方にだけ

私の思い伝わるのかどうか


知りたい




2001年12月24日(月)



--インストール--


もう無いの

過去の文章 画像 思い出

忘れたと思って

これから上書きするから

中途半端よりはきっと良い

忘れたことになるから


2001年12月23日(日)



--飾らない景色--


目の前に広がる川の

向こうに散らばる小さな燈

私の記憶に未だ見たことの無い

光は常に燃え続けた

何も変わり無い そんなことより

少しの変化も必要ね


2001年12月22日(土)



--儚い物--


最後まで見てた 貴方の終わりを

形になって崩れ行く様を

手を伸ばせば触れられる

貴方の火を直ぐに消せる


凍りついた空気と共に貴方はやって来て

私の手の自由を奪っていく


それでも今が続かなければ終わってしまう

舞い降りてきて直ぐに散ってしまう

桜の花弁の様に 優雅に そして

人の心のように 儚く


2001年12月21日(金)



--キラキラ--


外に開放がまってる キラキラ

外に馬車が待ってる キラキラ

お外が光り輝いてる

キラキラ ピカピカ


2001年12月20日(木)



--凶器--


言葉を握り締めると手から血が流れたわ

とても鋭かった

時に凶器に 時に泡に

私を壊して去った凶器は

また別の誰かを殺める


痛い思いをしたくない

誰かを傷つけたくない

そう思うなら

自ら消えてしまいなさい

凶器を作り出すのをやめてしまいなさい


2001年12月19日(水)



--言葉の糸--


つむげる言葉は早めに紡いでしまいましょう

そのままにしておいたら

言葉を殺してしまうかもしれない


吐き出せるだけ吐き出して

丁寧に混ぜて

一つの糸を創り上げて



2001年12月18日(火)



--髪の毛--


私のためだよと

伸ばしていた髪の毛も

ただ「少し悲しいの」

言い訳をして切り落とした


私の庭でゆらゆら燃える

明かりぐらいの火に投げ入れた

音を立てて灰になった


時間がたてばまたもとに戻る

それを願うわけじゃないけど


2001年12月17日(月)



--雨の降る道--


少し湿った坂道を

制服をぬらしながら歩いた

走ることなど決してせずに


だからと言って知ることは何も有りません

雨が当たるだけ


坂を下りながら足に力を込めて

滑り落ちないようにしながら


2001年12月16日(日)



--銃弾--


貴方に向けて放ったはずの弾は

目の前を飛ぶ鳥を打ち落とした

綺麗な羽毛は飛び散って

ひらひら地へ落ちた


舞い上がって 血痕と共に

混ざって私を繋げて

今はもう遠い 貴方の元へ


血に塗れた鳥は天国へ向かって

私への罰がまた増えた

愛されることすら罰なのに




2001年12月15日(土)



--船--


何も言葉を話さずに

つかれきった私は船で溺れる

使える道具さえ使い方を忘れた


ねぇ 今だけが

こんなに辛いのかな?

私がただ誤解してるだけ?間違ってるの?


『私は可哀相なの』

同情を求める言葉の羅列

振り向いて言葉を掛ける人に喜びを感じて

『私は可哀相でしょ?』

目のあった人に同意を求めて

一言呟く


『本当に可哀相だわ』


私を沈めた船は浮かんで

又はまるのを今かと待っている




2001年12月14日(金)



--線路--


私は脱線したの

本当は横になるつもりだったのに

私を見えない壁が押したから

その前に線路から反れた

私は糸を切らなかった

私は弦を切り裂いた

音がもう鳴り響かないように

大切な音が鳴らない様に


私以外鳴らせないようにしたかった

だけど今私は此処に居る


又私は弦を張りなおして

大切な音を掻き鳴らす


2001年12月13日(木)



--音の渦--


濃い音の渦に飲み込まれて

私ははじめて音を知った

後から襲う耳鳴りはその証拠

あの場をもっと共有したかった

できるならば私の物に


2001年12月12日(水)



--乗せて--


背に乗せて 墜ちていくの

羽根が動かない

飛べない私はもう要らないから

その目に私を 焼き付けて




2001年12月11日(火)



--私の中に--


私の中に「君」という存在が居ません

私の中に「君」という存在はません

君は男ですか 女ですか?

君は年下ですか 年上ですか?

君は近くに居ますか 遠くに居ますか?


わからないよ


2001年12月10日(月)



--何のために--


私は何の為に尽くしてきたのかしら

自分を犠牲にした意味はあまりにも無いわ

今度は貴方が尽くして

自分を犠牲にして私の代わりに


2001年12月09日(日)



--集まった言葉--


私が言ってることが正しいの

そういうならまず正しいってなんなのか教えて

中途半端なことばを繋げないで

私は頭が悪いから

もっと解りやすく教えて




2001年12月08日(土)



--目隠し--


目隠しをして

ワタシハダレ?


言いたいことが伝わらなくて悔しい

私を知ってもらえなくて悔しい




2001年12月07日(金)



--おとぎばなし--


むかしむかし

まだ太陽が輝いていた頃

地球には私が立っていました


その私は夢の中で貴方を見ました

”君のためならなんだって出来る ずっと側にいる”

と言っていました


だけどこのおはなしを読んでいる今

私の前には誰もいません

何も有りません


結局私は孤独でした

今までも 此れからも

心は空白のままです


2001年12月06日(木)



--黒いお話--


人は疑わなくちゃならないのと

ずっと話して聞かせてくれた

ただその日から

私は信じることを忘れたの


耳に入った言葉自体

間違っていたのかも知れないと

解らなくなったわ


正しいって何かしら

全て間違っていれば、間違いも正しいの


2001年12月05日(水)



--もの--


笑っていられるのもあと少し

続かない永遠は願えない

私があの時たてた誓いは今はもう無意味で

全てが意味を成さずに

目の前で朽ちていくだけ


考えるほどにはまる沼と

目をつぶっていれば襲ってくる闇と

外に出れば刺さってくる冷たい風と


いずれにも意味はあるのに

どうして?



2001年12月04日(火)



--終わりの鐘--


もしもココで終わりの鐘がなって

あたしが居なくなっても

貴方の心で生きられると願う


近づけずに途惑っていたけど

これでやっと側に寄れるね


2001年12月03日(月)



--白い翼--


駆け足で流れていく雲を

追いかける深く暗い闇

夜が更けきらない 明るいこの星に

休むことなく明日がやって来る


今見てる大きな翼は

思っていたより白くは無かった


ほんの少し小さな私は

もう持たない 強い想いで

弱かった私を強くした


「自由などはじめから無い」と

知ってしまった幼い私


知らないことが多すぎて

今でも生きているけれど

生きることに理由を求めてしまったから

全てに疑問を抱いた

これなら何も知らなくていい

無心で踊ってたあのときへ


私の二つの足が

冷たい大地踏んだとき

背の翼は意味を無くした


生きている そう思えているのなら

それ以上のことは要らないの

自由が目の前で待っていても

形だけの偽りに過ぎない

願いが一つだけ叶うのなら

使えなくて良い 真っ白な翼を手に入れたい




2001年12月02日(日)



--お洋服--


昔着ていた服を誰かに譲るときに

もういらないって思ってても

愛着は残っていて

ほんの少し悲しくなる


だけど新しい人に大切にしてもらうって思うと

それはとても嬉しいの。


2001年12月01日(土)


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