Sparkle
by RenA



 しゃぼん玉

みんなが貴方をしゃぼん玉の人と呼ぶのは
貴方がしゃぼん玉が好きだからじゃなくて
貴方がしゃぼん玉に愛されているから
            魅入られているから・・・

悲しいね
きれいにきれいに 高く高く昇っていくよ 空の向う
そして消えちゃうんだ 光ってキラリと 消えちゃうんだ
悲しいね
しゃぼん玉たちを ずっと見つめてる 貴方の瞳も
青くてでも少し灰色で まっすぐで 楽しそうで寂しくて
悲しいね

みんなが貴方をしゃぼん玉の人と呼ぶのは
貴方が世界にしゃぼん玉を見ているからじゃなくて
貴方がしゃぼん玉の中から世界を覗いているから 
            眺めているから・・・

2002年04月25日(木)



 責任

「ワタシハチョウセンジンデス」
彼女の日本語はとても流暢でした
「チョウセンはKoreaで、
 South Koreaはカンコクだよ」
と私が教えてあげると、彼女は
とてもとても寂しそうに笑いました

「うちの親が変なこと言う」
華僑の友達は怒っていました
「私はここの国の人間だけど、
 でもチャイニーズだって」
こんな自分の国は嫌、と言った彼女の
とても白い肌をした顔が歪みました

「あなたはいいね」
といわれて、私は、
きっと悲しい顔をしました

どうして彼女が寂しいのか
どうして彼女じゃ怒ってたのか
どうして私は「いいね」と言われるのか
答えは一つで
そしてその答えを
私は知っているから...

2002年04月24日(水)



 Nationality

君の迷いが
君だけのものであるように
僕の悲しみも
僕にしかわからないけれど
僕らにとって
幸せに見える人もいるけれど

僕らみんな
それぞれが傷を抱えてる
それは同じだと信じてる

いつか自分を誇れる日が来るように
今の僕に満足だと
胸を張って言えるように

ある人は
今ここにある苦しみに
ある人は
過去から引きずる悲しみに
ある人は
見えない未来への不安に

僕らみんな抱える傷は違っても
痛みは同じだと信じている

歴史の波に流されながら
こんな風に生きている僕らだけれど

いつか誇れる日が来るように
今の僕に満足だと
胸を張って言えるように

僕らみんな抱える傷は違っても
痛みは同じだと信じてる

2002年04月23日(火)



 相性

自分に無いものを持ってる人を
私たちは好きになっていくと言うけれど
あたしはずっとずっと
笑顔が素敵な人が好きだった

そう 思い出の中には
あなたの笑顔ばっかり
今にも楽しそうな声が
聞こえてきそうな気がする

そう 思い出の中から
あなたの泣き顔は消して
でもその涙はずっと
私の中に残ってる

あたしはずっとずっと
笑顔が素敵な人が好きだった

あたしはきっときっと
あなたなら泣き顔も好きだった

自分に無いものを持ってる人を
私たちは好きになっていくと言うけれど
あたしはずっとずっと
あたしはきっときっと
あなたのすべてが大好きで
これからも愛してゆくんだね...

2002年04月22日(月)



 この背に木漏れ日を

この荒んだ地に 生まれ落ちた
僕らみんな
金の輪を奪われ 翼失くした
堕天使だね
永遠という名を 知ることの無い
人間たちだね

あなたの背中 全て失くして
からっぽで さみしくって
でもなぜか 大きく見えた

終末の糸 紡ぐのは
空の彼方 雲の向う
金の輪の 正天使達
銀の輪の 堕天使が
土に汚れ 雫に濡れ
選ぶのは 始りだけ

光より 優しく淡い木漏れ日を
透き通る水晶より 氷の欠片を
艶やかな金より すがすがしい銀を
輝ける終焉よりも 希望に満ちた始まりを

あなたの背中 ここに感じて
初めて知る ここに僕らが
天使を捨て 生まれた意味を

堕天使たちよ
そう 始まりがここにある
どんな日も
見つけてゆこう
幾つもの始まりと
幾つもの終わりとを

木漏れ日を 自由なこの背に浴び
氷に飾られた大地 足で踏みしめ
静かな銀の輪を 心の中に抱いて
輝ける終焉よりも 希望に満ちた始まりを

堕天使たちよ
そう 永遠はないけれど
いつの日か
見つけ出したい
終わることの無い始まりを







2002年04月19日(金)



 Wings



I remember my childhood days
at south, far away from my birthplace.
Only a small corner of the country
was known by me.
I had such a small world
like a bird who knows her house alone.

That's why he was special to me.
Not a kid like me and my friends,
not an adult like my parents and teachers.
tall but close to me,
looked cool but foolish and kind sometimes.
--I had always wished he were my brother.

He played guitar when we sung hymn,
his face seemed serious but his fingers flew free.
He told me many small tricks,
such as how to let a flower open earlier.
I laughed at him when he ran away from
a cat that he hated so much.

--I had always wished he were my brother.

When I left south I got a cardboard,
which was filled with the massages by my friends.
I found a neat beautiful writing among kid's messy words,
that saide,"Fly high to your dream" and it was by him.
I thought that it was too dreamy and romantic,
like somebody's line in the movie or story.

I lost the cardboard long times ago,
but I never forget his massage,
"Fly high to your dream"
because his name meant "Wings" in Japanese.
I too wish him to fly high to his dream with his wings
instead of wishing him to be my brogher.

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思い出す 私の過ごした子供時代
南の端 生まれ故郷を遠く離れて
その国のほんの片隅だけしか
私は知らなくて
なんて小さな世界だったんだろうね
その巣しか知らない小鳥のように

だからあの人は特別だったんだね
私や友達みたいな子供なんかじゃなく
両親や先生みたいな大人でもなく
背が高くて、でも近くに感じた
かっこいいくせに時々ばかみたいで優しくて
――ずっとずっと、お兄さんになって欲しかったんだよ

賛美歌を歌うときはギターを弾いてたくれたね
真剣な顔 でも指は自由に舞っていた
つまらないこともいっぱい教えてくれた
まだ蕾の花を開く方法とかね
猫が嫌いで 逃げ回るあの人が
あたしはとってもおかしくて

――ずっとずっと、お兄さんになって欲しかったんだよ

そして私が南を去ってゆくとき
友達がメッセージ残してくれた色紙
ちらばる幼い文字たちの中 綺麗で丁寧な文章は
"夢に向かって羽ばたいて" あの人からだった
夢みたくわざとらしいんだからと思った
まるで映画とか物語のせりふみたいに

ずっと前に あの色紙は無くしてしまったけど
ずっと私はあの言葉を忘れないから
"夢に向かって羽ばたいて"
だってあの人の名前は――英語で "Wings"
私も願うわ 夢に向かって羽ばたいて
私のお兄さんになってくれる代わりに――

2002年04月17日(水)



 heart in heart

過ぎていった、たくさんの昨日
無数の傷跡を残す手のひら

痛くて、痛くて――まだ私達、
握りあうことができないの?

どうか遠ざからないで
手をつなぐことは出来なくても
身体に負った傷は癒えなくても

どうか目を背けないで
傷ついた手は閉ざされていても
心はここでつながっているから


明日の向う、たくさんの未来
無数の傷跡を癒すためなのに

遠くて、遠くて――まだ私達、
傷つくのをやめられないの?

どうか耳を傾けて
心さえ遠ざけてしまったら
傷は増え続けていくだけだから

どうか心を開いて
手をつなぐことは出来なくても
そこから全てが始まるから

――きっと傷は癒せる

どうか私を信じて
心をつなげて気持ちを通わせて
一緒だったらきっと傷も癒える

――そして手がつなげる

いつの日か
手と手をつないで
そしてその下で強く
心の絆がつながっているように

We can be together,
hand in hand, heart in heart...

2002年04月16日(火)



 頑張っていこう

ほんとは言い返すんじゃなくて
ありがとう、って言いたかったよ・・・・・・

君はいつも笑ってるから
君はいつもやさしいから
だから怖くなるの
真剣になったときの君が
キツイこと言うときの君が

いつも僕のこと考えてくれてて
いつも僕のこと心配してくれてて
だから僕のために     傷ついたりもしたけど・・・
真剣にまでなってくれて
キツイことも言ってくれて

好きな人にいつも笑ってて欲しいから
好きな人はいつも優しい人であって欲しいから
だから人は頑張るんだね
だから人は頑張ってゆけるんだね・・・・・・


2002年04月09日(火)



 冬

地球が再び巡る間も
この地に残ることを許された
緑濃い葉強く茂る枝に
冷たく目を閉じる石に

その美しさを聞く
サクラと呼ばれ 愛される
新たな季節の訪れを告げに舞う
春の使いの美しさを聞く

どうすれば どこにゆけば
逢うこと叶うのかと
問うた私に彼らは答えた

私がいる限り
春は訪れないのだと
私が去らねば
彼女は舞えぬことを――

それでも
風を放ち 雪を舞わせ
世界を白く覆うのは私の定め

いつか いつか彼女に逢いたい
そう願いながら
今年もときは巡り
南から近づく春の足音を聞く
いつか いつか彼女に逢いたい
願いを残して
私は最後の雪を溶かし
動き出した流れに背を向ける

2002年04月07日(日)



 春三連

〜〜〜〜〜〜新しい季節〜〜〜〜〜〜〜

また昨日と違う風が足元をさらう
誘われて歩幅を広げながら
また一日が後ろへと遠ざかる

そして新しい季節は
持ってくるものが多すぎるから
まだ輝いていたい時間たちは
風に吹かれて過去になる

それでも次の季節に
待っているものが多すぎるから
過ぎ去っていく時間たちを
せめて思い出に留めて

そして 新しい物語の始まりがここに

〜〜Spring for the whole world〜〜

冬の風が荒み吹く中で
次に訪れる季節
期待するのはみな同じ

けれどこの大きな地球に
小さな春は間に合わない

今ここで一つの季節に
穏やかな花の風が泊まるのは
世界の小さな片隅だけ
平和の中に眠ることができるのは
世界のほんの一角だけ

そんな小さな国からの願いです
いつか いつか世界中の人々が
同じとき 同じ春のぬくもりを
分かちあえる日がきますように

そして季節だけではなく
全てを分かち合える日がくるように

〜〜流転〜〜

今年もまた
桜は早く花を開き
私たちを喜ばせ
そして早くも花は散り
私たちを悲しませ

カレンダーをめくっても
思い出の中の風景と
ここで私が感じてる
今年の春とが重ならない

私たち 人の営みだけ
歩幅を変えていく春の歩みに
取り残されたままで

季節は流れを変えて
記憶の中を巡っても
過ぎ去った同じ日の空気と
ここで私が感じてる
今日の風とが重ならない

2002年04月01日(月)
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