よるの読書日記
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『航路』下<コニー・ウィリス/大森望訳/ソニーマガジン> 上巻を一気に読み、図書館に下巻予約発注してから届くまでの長かったこと。 これ月刊誌連載で読んでたらおかしくなっちゃうかもというほど強い ヒキにページをめくる手を止められず、具合悪いっつのに一気に 読んでしまいました。んーー、これは今年のベストかもしれない。 うぇぇぇ!!このあとどうすんの!って展開の連続なのに ちゃんと(一応)大団円なのよ凄すぎる。 しかも「ええー前半さんざんこき下ろしおいてそっち方向かよー。」 って読者がげんなりするような「前ふり」をしたかと思うと ちゃんと反転してみせる高度っぷり。参りました。
しかしやはり風邪で気道が狭くなってるときに臨死体験の本なんか 読むもんじゃありませんね。 息苦しくて飛び起きるのを30分〜2時間おきに繰り返しました。 絶対どっか影響してると思う……。
おそらく作家は自分で面白い(あるいは売れる)と思うものを書いてる筈で 読者から見て好きな作家が褒めている作品はやっぱりいいことが多い。 まあ京極夏彦が好きだからって妖怪ものばかり読む人は稀でしょうが。
そんなわけで恩田陸オススメ『航路』上<コニー・ウィリス>。 水のようにすいすい飲める上等のお酒に例えていましたが、 分厚いですけど本当にすいすい読めます。 科学的な視点からNDE(臨死体験)を解明しようとする心理学者 ジョアンナと医師リチャードが主役。 最初の所の人物紹介がいい味です。読み終わってから読むとにやりと してしまう。
あとタイタニックのエピソードがいくつも出てきて興味深い。 これが後半どうまとまっていくのかすっごい気になりますが。 ジョアンナじゃないけど現実にあった話のほうがよっぽど ドラマチックなのに、何であんなぬるいラブストーリーに しちゃったんだろう映画。
章ごとについてる著名人の臨終の言葉コレクションやら 心臓病の少女メイジーが大好きなな災害の話、 そもそも病院で臨死体験研究する「死」だらけの怖い小説ですが ユーモアもあって(かなりブラックだが)話にのめりこんでしまいます。 やっぱり「死」を考えることが「生」を思うことだからでしょうかね。
| 2007年06月09日(土) |
タフィー、ショートブレッド、ライスプディング |
『続 学校一のいたずらっ子エリザベス』 <イーニッド・ブライトン/新学社> 続編があったんですよお客さん。前編を買って二十年 近く経って気づくのもどうかと思いますが。 もともとこれ、小学校で夏休み前に渡される推薦図書(注文書兼封筒に 丸つけてお金入れて先生に渡して買う仕組みだった)んですよねぇ。 続編が出た頃にはもう中学校だったんでしょう。
あああ。懐かしのホワイトリーフ学園。私のイギリス好きのルーツは もしやここか?(旅行本や紀行本はかなりの数読みこなしている。 が、実際いつになったら行けるものやら。暇ができてもテロが怖い)
いい子になると決意したものの、新学期もやっぱり敵を作ってしまう エリザベスがかわいい。男の子相手に派手なケンカするけど小さい子を かばってのことだったり。 人の欠点が目に付いても自分の過去から咎めるのはおかしい。と自分に 言い聞かせて我慢したり、頑張ってはいるのだ。
実際問題こんな劇的にいたずらっ子やいじめっ子が改心するのは なかなか難しいと思いますが、それでもここみたいに問題を ある程度小さな芽のうちに摘んでいけば、現代日本のように学校が 荒廃することはないかもなぁ。とも思ったり。
前作は及びませんが(読むと条件反射のように泣けてしまう。) やっぱり面白いです。旧友に再会した気分。 あと、ジョーン(エリザベスの親友。良識派)が幸せで嬉しかった。
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