大分前に、ヘルスメーターが壊れ、それに伴って、両手でぐぐっと引っ張るタイプの体脂肪計も役に立たなくなってしまった。
で、買ってきたのが、タイトルの『インナースキャン』。 タニタ製の体組織計というやつである。 体重、体脂肪のみならず、内臓脂肪、基礎代謝、筋肉量、推定骨量まで測れてしまう優れものである。 とりあえず、数字に向かい合って、生活を見直そう、と思ったのである。 無論、ひとりで立ち向かうのは怖いので、ランディも巻き込むことに決定。
体重、体脂肪は目を背けたくなる数字であったが、意外なことに、筋肉量、骨量ともに平均値以上。 そうか。意外と、わたしって骨太だったんだ。 これは、基礎代謝を上げれば、思ったより楽に痩せられるかもしれん。
丸一日、ランディと遊びに出かけた。
ゲームセンターで、最近はまっている対戦形式のクイズゲームをプレイ。 現在、上級魔術師の8級。 調子と問題のジャンル、出題形式によって成績にはかなりむらがある。 勲章を剥奪されることは少なくなってきたが、決勝まで残って4位ということが多い(3位までは勲章が貰える)。 画面上のキーボードで答えを打ち込む形式で、化学系や、芸能系や地理系の、見当さえつかないような問題がつづけざまに出て、ヤケになって、
『ああああ』
とか
『ババババ』
とか、 挙句の果てに、妙な余裕を持って開き直り、なにも答えられないまま時間切れになるくらいなら、と、
『しらん』『ワカラン』
とか、
『あーだめだー』
とか打ち込んでいたら、対戦相手が、
『アキラメルナ』
とか、
『がんばれ』
とか、励ましてくれた。
そういや、こちらの答えは、全国のゲーセンにいる数多の対戦相手から丸見えなんだった。 余裕があるからか、たまたま、相手も問題が判らなかったのか判然としないが、まさか返事がくるとは。 ……気持ちはうれしい。 オンライン対戦の面白さというものには、こういうものも含まれるのだろう。 が、なにか間違ってるような気がする。 お互いさまだが。
飲みに行って、御機嫌で、コンビニで夜食買って、家に帰って眠る前に、メールチェックしようとしたとき。 PCの起動音に紛れて、叫び声。 猫か、と思った。
「……悲鳴?」
「違うだろ」
「いや、でも、今、女の人の声……」
ランディが外を窺う。
「ありゃやばい!行って来る!」
と吠えて、Tシャツにトランクス姿だったが、急いでズボンだけ穿いて出て行った。 わたしはわけがわからないまま110番に通報。 その後、すぐに、外に出て行ったら既に警官が来ていた。 怖ろしく速い。通報の電話を切ってから一分経ってないんじゃなかろうか。 警察署が近いのもあるだろうが、通報したのはうちだけでは無いのだろう。 若い女性が泣きじゃくっている。
「なにがあったんですか」
と、警官に尋ねたら、警官は、女性の肩を抱きながら、
「大丈夫大丈夫。酔っ払いに絡まれたらしいですね」
女性の袖口に、僅かに血がついているように見えたが、大きな怪我はしていないらしい。 が、痛々しいほどふるえている。 しかし、部外者が、事情を深く尋ねることは出来まいと、部屋に戻ろうとしたとき、別の警官がやってきた。
「すみません、ここらへんで女性の悲鳴が聞こえたと通報があったんですが」
「あ、通報したのはわたしですが、女性はもう向こうで、別のおまわりさんに保護されてます」
「あなたが通報してくださった方?」
「はい」
で、通報したときの状況を説明。
わたしが悲鳴を聞き、ランディが玄関から外を見て、女性が必死に走っているのを見て外に飛び出し、わたしがそれを通報した、と、説明した。 ランディも、女性に絡んでいた酔っ払いとやらを見たわけでもなく、既に、女性は近くの公園で事情聴取されていたので、それ以上説明することもなかろう。
「ちょっと、近所でこんなことがあると怖いので、パトロール増やしていただけませんか」
と、お願いし、うちに入ろうと、階段を昇ろうとしたとき、犯人追跡のためか、保護した女性を迎えにか、パトカーがサイレン鳴らしてやってきた。
「いやー、大事にならなくてよかった」
階段の踊り場でそれを見ながら、うんうん頷くランディ。
「……うん。でもな、ランディ、これから、ああいうことがあったときは、靴履いて飛び出せ。あと、上着と携帯もあった方がいいと思うぞ」
水道メーターの検針をした水道局の人から電話が。 聞き取りにくい北関東訛で、
「いつもの4倍以上の使用量ですが、なにか心当たりは?」
トイレの水が止まらない状態を、そんなに大量に流れてるわけじゃないからと、嵩を括ってると、そこまでなるんかい! 慌てて業者を呼んで、修理してもらった。
「漏水証明を発行して、ポストに入れておきますので、水道局まで持ってって下さい。全部は無理ですが、幾らかは戻ってくると思います」
「マジック・アカデミー」上級魔術師に昇格。 前に座ってる学生風の男の子と対戦したが、凄かった。 臥薪嘗胆。
2004年02月12日(木) |
流れてしまうのは勿体無いので |
一昨日の日記を読んだ、しんたさんと作戦名・不可能さんが、掲示板に掌編小説を書いて下さった。
ちなみに、落とし主が現れたという連絡は、未だ無い。
パソコン通信時代に、ゲーマーが集まるチャットで出逢った人たちと、未だつきあいがつづいている。 が、実は、わたしのゲーム歴は意外と短い。 同年代だと、大体小中学校くらいからはじまっている人が多いが、わたしが本格的にゲームにはまったのは、二十歳を幾つか過ぎた頃である。 元々オタクではあったのだが、ランディに出逢ったというのがかなり大きい。 が、はまったのはスーパーファミコンだの、PSだので、ゲームセンターには縁が無かった。 なにせ、格闘ゲームはだめ、シューティングもだめ、メダルゲームは性に合わず、UFOキャッチャーは不器用すぎて無理。 リズム感と音感が欠乏してるので、音ゲーは無謀。 DDRは一時やってみたが、長蛇の列に並んだ挙句にノーマルでさえ無様なミスをしてしまうのでやめた。 つきあいで入ったときは、「ぷよぷよ」「テトリス」「花札」で時間を潰していた。
そんなわたしが今はまっているのが、これである。 現在、未だ中級。
人に誘われたわけでもないのにゲームセンターに通うなど、生まれてはじめてかもしれない。
駅前の道路に、女性用の腕時計が落ちていた。 ベルト部分がブレスレッドのようになっていて、そのブレスレッドにはシルバーのリングがついている。 周囲を見回しても、落とし主はいないようだった。 拾い上げて見ると、グッチ社製らしい。 時計にもブランドにも興味は薄いので、真贋など判るはずもないが、製造番号らしきものもある。 それに、一緒についてた指輪は安物にしか見えないが、どんな値段のものであろうと、こと女性にとっては、指輪やアクセサリーは特別なものである場合もある。 前述の如く、別に時計にもブランドにも興味は無いので、人が使っていたものを使いたいとも思わないし、謝礼も、定価の一割としたって、たいした額ではなかろう。 が、とりあえず、捜してる人がいるかもしれないので、近くの交番に届けた。
「高価なもののようですから、持ち主が出てくるかもしれないですね」
と、婦人警官に言われた。
さっき検索かけてみたら、本物なら時計の定価は6万強、安く買ったら3万前後らしい。 指輪にも時計にも、思い入れがなければ、警察に届けるかどうかは微妙な値段である。 落とし主が現れず、わたしのものになったら、忙しければ権利放棄、そうでなければ、持ち主の思い入れが無いものとして、遠慮無く、リサイクルショップに二束三文で売るだろう。
最近、眠れない。
元々、宵っ張りな方だし、一度夜更かししてしまうと、それをきっかけに、昼夜逆転してしまうことも多い。 これではいかんと思って、夜行性生活を改めようとしているのだが……計ったように、深夜、外で、「ぴろろろろろろろろ〜〜〜〜〜〜ん」という音がするのである。 家の電話でも、携帯でもない、目覚まし電話とも勿論違う。
昨晩は、午前三時であった。
建物の前後を挟むように、駐車場がある。 どうやら、ベランダ側の駐車スペースに置いてある車に、防犯装置がついているらしい。
以前、車上荒らしの被害が続出したので、うちもつけようか、という話も出たことがあった。 が、うちの車の両隣の車には既についていて、普通に、うちの車に乗ろうとしてさえ、「ぴぴぴぴぴぴぴぴぴ!」と文句を言うので、他力本願ではあるが、だれも、うちの車を荒らしたりはしないだろう、ということになった。
が、しかし。 毎晩毎晩鳴るのは誤作動か。 深夜に犬の散歩させてる人だか新聞配達だかに反応してるなら、そんな過敏な機械作った奴を今此処に連れて来い。 毎晩不審者が来るわけじゃなかろう。 近所に住み着いてる野良猫の可能性もあるが……その場合は耐えよう。
毎日のように、あの事件の続報が伝えられる。 銭湯に行って、歩きはじめたばかりに見える赤ちゃんの背中一面の蒙古斑に、一瞬、固まったり、子供の泣き声に過敏になったりする。
こないだから報道されている、餓死寸前で病院に運び込まれた、中学三年生の少年について、何度か書こうとしたが、数行書く度に消してしまった。
悪鬼羅刹鬼畜と加害者側を叩くのも簡単、少年に同情するも簡単。 しかし、一歩間違えれば、恐らく、だれもが、加害者にも、被害者にもなる可能性はあるのだと思うと、軽々しくは書けなかったが、これを読んで、少年が元通りに回復する可能性がゼロでは無いと判って、ほっとした。
この医師の、言葉は、明快で、重い。
「大人には子供を幸せにする義務があり、幸せを守っていく使命がある」
ランディの後輩の結婚披露宴に行ってきた。
新郎の上司が乾杯の音頭。 ケーキ入刀。 新郎・新婦の祖母に新婦手作りのテディ・ベア贈呈。 新郎・新婦それぞれの友人のスピーチ。 お色直し。 キャンドルサービス。 新郎・新婦の両親に感謝の手紙朗読、花束と、新郎新婦出生時の体重と同じ重さのテディ・ベア(これも新婦手作り)贈呈。 そして、余興は、航空会社に勤務していた新婦の同僚の皆様が、制服姿での「スチュワーデスの寿アナウンス」。 いやー、話には聞いていたが、実際に聞くことが出来て、おおお!であった。
ベッタベタではあるが、美男美女の新郎新婦は幸せそうで、親族は涙ぐみ、招待客は拍手と祝福を惜しまなかった。 奇をてらわず、無理をしない、そういう披露宴も良いものだ。
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