ことばのかけら
桜子



 脚光

ちいさなちいさな はぐれ雲が
さんさんと輝く三日月に照らされ
横切る瞬間 そっとその姿を見せた

なんとなく
その雲を羨ましいと思った
たったひと時でも スポットライトを浴びられた雲に
良かったねと言いたい気持ち

その瞬間を発見できたのは
私ひとり
小さなタカラモノに満たされ
夜の散歩道を引き返した

2002年09月30日(月)



 Mind

ぴったり似合いそうよ と
買い与えられたレモンイエローの財布が
たまらなく 嫌で 嫌で
仕方なかった

自分らしさは もう
一人で探して掴みたい


2002年09月29日(日)



 あのころ

あのころ

誰も自分のことなんて考えてくれなくて

きっと自分は独りなんだと

伸ばした手なんてどこにも届かなくて

きっと行き着く場所なんてないと


・・・そんな甘えたことばかり考えていた。


2002年09月28日(土)



 ララバイ

ねむれ ねむれ
裸になって

ねむれ ねむれ
全てを忘れて

一握りもない幸せ
宝石にして この胸にしまおう

天から羽根が舞い降りた
静かに瞳を閉じたなら

ねむれ ねむれ
今夜はおやすみ

2002年09月27日(金)



 恋人だった記憶〜Long long time ago〜

久し振りに話した貴方の口から
「昔話」が語られた
他愛もない、と言う風に
過去の出来事を さらり

…その頃 二人が恋人だったと
思い出に耽るのはきっと私一人
「ムカシ」と言い放たれる度 また
物語の中に取り残されていくよう


2002年09月26日(木)



 嘘でもいいから〜Run&Run〜

ハッタリだっていい
自分を動かすきっかけになれば
なんだっていいのさ
重くのしかかる雲 払いのけるには
少しくらい 勢いが必要

いつか言うよ
胸張って叫ぶよ
「私が羨ましいでしょう?」って
世界中の全ての自分に

私に向かって
私は 走る
私は 走る
まだ見ぬ 私に向かって


2002年09月25日(水)



 夢売り

高い高い 雲の上だと思っていた
「あこがれ」が
誰も彼も そうこんな私にでも
本当に手に入ってしまうと信じ込んでいた
・・・僅かな勇気とちょっとしたお金で・・・

甘い言葉が 誘惑が
グレーに落ち込んだ街じゅうをはびこる
張り巡らされた蜘蛛の巣
一握りの「真実味」と 美しく料理された「夢物語」

それでも人は手を伸ばす
輝かしい幸せに少しでも近づきたくて―――


2002年09月24日(火)



 丁度いい距離

近からず 遠からずの
微妙な距離
「それで良いよ」と貴方は言った

寄り添えず 手を振れずの
曖昧な関係
笑うことすら 戸惑う私


2002年09月23日(月)



 疑い

ツライから止そう
首を傾げ続けるだなんて

でも
心から「疑い」を捨てた時
またひとつ 私は可能性を無くしてしまった―――


2002年09月22日(日)



 Prism

ヒトカケラの 今にも割れてしまいそうな悲しみを
誰も彼もが抱えてる
時に それは突き刺さりそうで
私は必死で 身を守る

ひとり ひっそり 涙を流す夜
窓から北風冷たかった
同じ空の下 ちがう痛み抱えた人から
なんでもないふうに傷を撫でるようなコール
心の中で「頑張ろうね」とエールを送った

ねえ 朝が来て 光差し込んで
このカケラにも 屈折しつつも虹が生まれたよ
たった一人 存在を認めてくれる人が
また “生きていこう”と思わせてくれたよ

そうして 顔を上げてみる
…所詮は一人になってやろう だなんて無理な話だったのさ
こんなにも こんなにも
あたたかい眼差しを送ってくれる人たちが居た…

カケラをそっと日にかざした
―――何よりも 美しかった


2002年09月21日(土)



 Ribbon

ゆるやかに結んで
少し自由に動ける隙間があるくらいに
決して縛ることなく

ふたりをつなぐ強さ
それで丁度いいね


2002年09月20日(金)



 It's your call

月の輝く しんとした夜
アルバム開いて 笑って泣けた
どの写真にも きらきらしている
笑顔の友とわたし

もうたどり着けないって
分かりきった風に諦めてた白いゴールライン

It's your call
"君が決めたことなら 応援しよう"
いつか胸を張って歩く私を 遠くから見ていて

星が流れる 胸騒ぎの夜
あなたの電話の声頼りない
どうしたのって聞けずにごめんね
無言で過ぎてく時間

あとどれだけ どれだけで
あなたの弱さを分かれるだろう 近い だけど遠い・・・

It's your call
君が泣きながらでも 歩み続けて
そして拾い上げたカケラすべてに 意味がないハズない

ずっと気付けずにいたよ
一人歩いてると思い違えてた
そこで待っててくれたんだ
ありがとう・・・溢れる思い

It's your call
君が泣きながらでも 歩み続けて
そして拾い上げたカケラすべてに 意味がないハズない

だから

It's your call
"君が決めたことなら 応援しよう"
いつか胸を張って歩く私を 遠くから見ていて







2002年09月19日(木)



 遅れて降る雨

昨日から 今日は雨模様だと天気予報では言い・・・

昼間はどんより曇り空で
そのまま夜の帳が下りる

葡萄色した夕闇こえて
窓辺を見やって物思いに耽りたいのは私が先だったのに
ずるいよね 今ごろ雨が降り出した

遅れて降ってきた雨
どうせなら一日中降り続けば良かった
心の中のモノ 全て洗い流してくれるように

泣きたい気持ちにやっとなれたのに
ずるいよね 今ごろ雨が降り出した

2002年09月13日(金)



 突然。

突然よぎった、こんな気持ち。
忘れたくない、不思議な気持ち。

仕事仲間と電車に揺られて、家路へ向かう途中。
会話が途切れた瞬間に。急に思ったんだ。

「私、いま幸せだなぁ・・・・」

なんの脈略もない想い。
それがたぶん、ほんとの気持ち。
いろいろあるけど、私はシアワセ。

+++
記憶する限り、ネット上で書いた最初の詩かと思われ。
1999年10月16日のもの・・・らしぃ。
確かPOEMにはUPしていなかったと思うのでコチラにね。

2002年09月02日(月)
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