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■ 忘れな草。27 にょ
抱き締めていた腕にほんの少し力を入れるとその人物は顔を上げた。
「おはよ、アスラン。」
にっこりと微笑むキラに、アスランも思わず顔を緩めた。
「おはよう。ホントにずっと見てたのか?」 「ちょっとだけ。後はずっとアスランの心臓の音を聞いてた。」
そう言って、キラはまたアスランの胸に耳を付けた。
「楽しいか?」 「うん。凄く安心する。優しい音がする。アスランらしい。」 「そうか?」
何となく照れくさい感じがし、アスランは自分の胸の上にあるキラの頭を撫でた。
「うん。凄く優しくて・・・。」
何かを言おうとして、キラは言葉を止めた。
「キラ?」 「・・・っ、な、でもな・・・。」
否定の言葉を口にした次の瞬間、キラの身体がびくりと動き、カタカタと動き出した。
「どうかしたのか!?」 「大、丈夫。いつものことだから・・・っ。」
苦しそうに息を吐き、アスランの服をきつく握りしめた。しばらくするとその呼吸はいつも通りに戻り、えへへっと顔を上げてキラは笑った。
「いつも?お前それ隠してるのか?」
アスランがじっとみつめると、逃げられないと分かったのか、笑い顔だったキラの顔がしょんぼりとしたものに変わった。 「・・・・・・うん。」 「バカか!!なんで言わないんだ!」
思わず大きな声を上げ、アスランはすまない、と小さくつぶやいた。
「だってすぐ治まるから平気かなって。」 「それで何かあったらどうするんだ!」
キラはゆっくりと手を上げ、アスランの頬に触れた。
「・・・・・・ごめん。心配させちゃって。」
大丈夫だから。そうキラは笑う。
「まだ隠してることはあるのか?」 「・・・。」 「キラ。話して。一人で抱え込んじゃ駄目だろ?」
頬に置かれたキラの手に、アスランは自分の手を重ねる。
「けど。」 「俺に話すと余計に辛くなるかも知れない。けどキラの苦しさ半分俺に分けて欲しいんだ。」
キラはアスランの頬から手を離し、アスランの背中に手を回して抱きつく格好となった。
「・・・僕ね、見えるの。」
キラは小さく口を開く。
「何が?」
キラの言葉があまりにも漠然としすぎていて、アスランは思わず聞き返した。するとキラの抱きつく力がほんの少しだけ強くなった。
「・・・死が。」 「!?」
思わずアスランの身体に力が入る。それは思ってもみなかったことだからなのか、それともこの命を見破られたからなのかは分からない。
「ぼや〜ってね。昔から見えてた。けど最近ハッキリ見えて・・・。」
キラは何か遠くを見つめるような目をする。しかしアスランにぴったりとついているために、アスランがその目を見る事は無かった。 それはキラがそのものに近いという証拠なのかも分からない。
「怖いの、凄く。その人が死ぬって分かるから関われなくなっていって・・・。」
だから・・・とキラは言葉を飲み込んだ。これ以上口に出したくないから。思い出したくないから。
「俺にはある?それが。」
アスランは聞いていた。そのことを。キラを苦しめる事になるかもしれないその言葉を。 けれどキラは首を振った。
「ない・・・よ。」
それは良かったのか悪かったのか。とにかくこのかりそめの命のことはキラにはバレていないようであった。 アスランに近づいているのは死ではない。消滅なのだ。
「じゃあ俺はキラの側に居られるね。」
それだけが今の救い。今はまだキラの側にいれるということなのだ
「・・・そうだね。アスランの死なんて僕は見たくない。」 「俺もキラのなんて見たくない。」
けど多分見えてしまう。後数日でキラにも。たとえ消滅だとしても、キラはきっと何かに感づいてしまう。
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さて、忘れな草のヒロインの力がここにきてようやく発覚ですなー。 かすみさんの力です。 け、けどこのままだと正ヒロインがラクスに・・・・・・ラクスに・・・あーっとえーっと。
2004年12月25日(土)
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