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2003年04月30日(水) 年を重ねるということ

 
 そもそも、年を重ねることは素晴らしいことなのである。

 先日26歳になった自分は10代に描いた地図とは違う場所にいるような気がしながらも生きている。今の自分と昔描いた自分とのギャップに生縫い不快感を感じていることは事実だが、果たしてそれは正直な気持ちなのか。

 友人たちは口を揃えて、この中途半端な年齢に達してしまったこと、また達しようとしていることに不満を抱いている。ある人がこう話している。20代まではリハーサルで30歳になってからが本番なのだと。確かに10代後半から20代前半で作り上げた自分を20代後半で見直し訂正し本当の自分の道を歩き始めるのではないか。「自分はこういう人間だから。」と決めつけて生きていくことは、簡単だけどつまらない。そうは思わないか?

 恋人や友人たちと、「そうだよね」と足並み揃えていくことよりも「そうなの?」と疑問を投げかけ手探りで答えを探していくことのほうが重要だろうとも思える。

 例えば、22歳の自分と同じビジョンで今を見ているのかと言われればそうでないはずである。音楽の趣味もだいぶ偏ってはいないだろうか。当時なら流行と言えばそれを聴くしそれが好きだと言えただろうが、今は明らかに違うだろう。いくら流行っていても「それはちょっと」と敬遠することもあるだろう。好奇心が削がれたのではなく、自分の方向性が徐々に定まっていっているからだろう。まぁそれをおっさんになっていると言われればそれまでだが、音楽を自分から排除したわけではないので、そうもならないはずである。

 選択肢にしてもそうだろう。10代前半に持っていた選択肢と今もっている選択肢は明らかに違う。今のほうがより現実的でそれに向けて足を踏み込む準備や勇気が備わっているだろう。踏み込む勇気と踏みとどまる勇気、二つの勇気の使い方がより上手になったのではないか。

 ようやく変化を楽しめる世代になったのだと確信している。さまざまな決断の上に立っている。おそらくそこに立っていられる時間はそう長くはないだろう。

 選択肢について、僕にとってはピアノもそのひとつ、昔は音の出る木でできた箱にすぎなかったものが今では気持ちを伝え、安らぎを与えてくれる素敵な箱なってくれることを願えている。ある人にとっては結婚、ある人にとっては恋人との素敵な時間。様々な決断を繰り返しながら僕らはこうして生きている。生きていけている。誰でもない自分の人生をと思えているうちはまだまだ大丈夫。無駄な時間なんてない、ただ積み上げていくだけ。それが自分だから。

 寄り道ばかりの人生に不満を抱くよりも、寄り道もまた人生。それが自分と思えたら、どこへだっていけるだろう。寄り道した場所が本線になることだってあるだろう。
  
 大丈夫、道はひとつじゃないだろう。


 そもそも、年を重ねていくことは素晴らしいことなのだから。


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