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LaLa5月号
2005年03月31日(木)
「龍の花わずらい」草川為
がよかった。
龍の一族の娘と、許嫁の青年。そして、記憶を失って帰ってきたかつての許嫁の青年。
二人の青年の手には婚約の証である花の刺青。そして娘の両手には二人分の花。龍の一族である彼女の花は、相手の気持ちに呼応して増えていく。
相変わらず、ロマンティックな設定を考えてくれます。読みきりだと気づかずに読み始めて、最後にこれで終わりなのー?と思ってしまいました。もったいないなあ。これからの3人が読みたかった。
手の甲の花がとても綺麗。

「お伽もよう綾にしき」ひかわきょうこ
は別冊ですが、これもよかった。
鈴音と新九郎の出会いが描かれていて、鈴音がなぜ新九郎を「ととさま」と呼ぶのかの話。
ひたむきでけなげな鈴音がほんとにかわいい。きゅんとします。
「嘆きのサイレン クラッシュ・ブレイズ」茅田砂湖
2005年03月27日(日)
「ぶれいず」と打ったら、「無礼図」と変換されました。まあ間違ってはいない…と思いました。

辺境の宇宙で宇宙船の操縦がきかなくなる事故が多発。好奇心で調査に向かったケリーとジャスミン。しかしミイラとりがミイラになり、助けを呼ぶはめに…という話。ダイアナが主役かな。
殺気立ってる夫婦がちょっとおかしかった。仲良く喧嘩しなって感じですね(笑)

長々と続くシリーズが始まったのかと思いきや、話自体は1冊読みきりだった。
でもこれからまた長くやったりするんでしょ?
「天使たちの華劇 暁の天使たち・外伝2」茅田砂湖
2005年03月26日(土)
外伝ということで短編が4本。
最後の話のシェラに、よかったね、と思いました。しあわせなんてそんな些細なことなのさ!

でも私ももう若くないので、傍若無人な人たちに時々苛々っとします(笑)
「ハチミツとクローバー 7」羽海野チカ
2005年03月23日(水)
竹本くんの自分探しの旅で一冊終わってしまって、ちょっと残念。

「一人でもちゃんと生きてるぜ」っていう先生の話に共感。
「きみはペット 12」小川彌生
2005年03月22日(火)
なんと急展開! 後半読みながら、もしかしてこれって最終巻だったりするの?とか思ってしまいました(笑) …人気なかったり作者がやめたがってたら終わってるな。
でもまだ続くのね。このままでは進まないんだろうなあ。

「この世が終わる最後の日に一緒にいてほしい人」と「だからわたしたちは終わったのだ」のバックのオルゴールの人形がうまい。こういうところのうまさが、「設定だけ」の漫画で終わらせないところだと思う。

「あなたを護るために」って、モモかっこいいなあ……。
髪は長い方がよかったけどね。
★★★★
「癒されて生きる―女性生命科学者の心の旅路」柳澤桂子
2005年03月21日(月)
タイトルがちょっと恥ずかしいんですが(笑)
前半は宗教めいたところが多くてついていけないかなと思いましたが、後半は生命科学者である柳澤さんらしい切り口で生きることについて語られていてよかったです。

・人はどのように「生きがい」というものを感じるのかの分析。

・「内面的に能動的であるというのは、そのひとにあたえられた才能や能力を生きいきと表現できる状態である。(中略)一輪の花のもつ美しさを自己の内部に深く経験することのできるひとのなかで進行している精神的な過程は、何も生産しはしないが、創造的である。(中略)鋭い感性をもつひとによって受け取られた対象物は、そのひとの心のなかで励起され、表現されて、ほかのひとびとやものにも活力をあたえるのである。」
創造的であることが評価されがちな世界だが、そうではないのではないかという点が興味深い。というか、励まされる。

・躁鬱病をわずらう女性の医学者の話。「博士は、どんなにひどい鬱状態にあるときも、「この世に生まれてこなければよかった」と思ったことは一度もないし、子供を産むまいと思ったこともないことを強調する。生まれてくる子供が自分とおなじ遺伝病をもっていても、産みたい。」
驚かされた。なぜ、そう思えるんだろうか?

・安楽死と尊厳死と介護の問題。近い将来自分が直面するかもしれない(今のところその予定はないけども)問題。


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この本とは直接は関係ないのだけど、常々思うこと。
「ゲームばかりしていると人を殺してもなんとも思わない人間に育つ」
「老人と一緒に暮らしていないと死の重みがわからない人間に育つ」
そういう短絡的な思考の方が問題だと思う。
「ユージニア」恩田陸
2005年03月20日(日)
ある夏に起きた、名家の大量毒殺事件。
一家の中でひとりだけ生き残った盲目の美少女。
さらに数年後、事件の関係者の証言を元に書かれた「忘れられた祝祭」という本。
それからさらに年月を経て、再び関係者の記憶が語られる。あの夏、何が起きたのか?

章ごとに語り手が変わって、ひとつの事件をうかびあがらせていく手法は「Q&A」「夏の名残りの薔薇」を思い出させます。それぞれの人物の観察力、人生観などはいかにも恩田さんて感じで、おもしろかった。それぞれが隠している感情というのが、生々しくて共感してしまいます。
なにより全体の雰囲気がすごくいい。神秘的な人物の描き方もいい。ドキドキしながら読み進められます。

ただ、ラストはいつになく意味がわからなかったんですが…。
えーと、でもおもしろかったです(笑) 彼女の本はほんとに読み終わるのが惜しい…。
装丁も凝っていておもしろい本です。
★★★☆
「九十九十九」舞城王太郎
2005年03月19日(土)
清涼院流水のJDCトリビュートということで、ずっと敬遠してました。私には清涼院流水は無理だろうと思って(笑)
でも、本家を知らなくても大丈夫と書かれているのを見かけたので、今回読んでみることにしました。知っていたら楽しめるネタがけっこうあったんだろうけど、知らなくてもかなりおもしろかったです。

見るものを気絶させてしまう超絶美形の探偵「九十九十九」の魂の遍歴。
なんというか、すごいです。どこまで突っ走るんだ、と思いました。
物語は、生い立ちから語られ始めます。かなりあり得ない虚構のお話なんですが、流れるような文体にぐいぐい引きずり込まれました。「ほうな〜♪」(産声)が好きです。
それからどんどん構造が複雑になっていって、おしまいの方ではなにがなにやらって感じです。章立てが途中逆になってるし。なんで、6で終わるんだ?と目次を見て思ったけど、読み終わるとなんとなく納得してしまうんですね。

読んでよかった。
トリビュートのくせに、今まで読んだ舞城王太郎の中でいちばん好きです。いつになくストレートな愛情表現であると思う。
「苦しさを感じるなら、僕なんて愛さなくていいんだ」名言です。
★★★★☆


「20世紀少年 18」浦沢直樹
いやあ、ほんとにすごいよね……。
どこまで謎が続くんだろう? ひとつ明かされると、また違う謎が出てきて。

今回は「いいかげんなもんか。そういうのが、普通に生きるということだ。」「歌なんか歌ってたって、撃たれる時は撃たれる。」のあたりがよかった。
「方舟は冬の国へ」西澤保彦
2005年03月12日(土)
別荘には監視カメラとマイクが張り巡らされていて、そこで初対面の女性と子供と、家族を演じるという仕事を多額の報酬で引き受けた男。事情の説明はいっさいなく、彼がわかっているのは演じる人間の名前だけ。
さて、なんのために…?
というあらすじを読んで、詐欺とか泥棒とかそういう類の話を思い描いてたのですが、もっとファンタジーというかSFというか…ほんとに柱の茶者の言葉にあるように「おとなのお伽噺」といった物語でした。
でもおもしろかった。家族の生活がほんとに仲睦まじくて楽しそうで微笑ましくて。
「ひとを愛しく想うとはこういうことかと、生まれて初めて判ったような気がした。」のあたりとか、ぐっときました。「にせものの家族」が、どんどん近くなっていく過程が、とてもよかった。
想像とは違ったけれど、楽しく読みました。

あとがきであげられている「リリアンと悪党ども」(トニー・ケンリック)は、確か小学校くらいで読んだんですが、とてもおもしろかった記憶があります。偽装家族のお話です。興味のある方はあわせてどうぞ。
★★★☆
「青の炎」貴志祐介
2005年03月11日(金)
母と妹と3人で暮らす高校生の秀一。平和な家庭に入り込んできた闖入者は、母が十年前に再婚し、すぐに別れた男だった。その男の傍若無人なふるまいに業を煮やした秀一は、自らの手で男を抹殺することを決意する。しかも完全犯罪で。

映画化もされたようで、人気作なんだと思いますが…。
正直、苛々させられました。これがせつないと感じる人もいるでしょうが、私はダメだった。
たぶん作者の描きたいことと自分の求めてることがまったくかみあってないんだと思うので、たぶんもうこの人の作品は読みません。うまいかもしれないけど、私は好きじゃないです。…酷評ですけど、あくまで私の好みの話ですので。
★☆
「輝夜姫 27」清水玲子
2005年03月10日(木)
輝夜姫最終巻です。
私は雑誌で読んでたのですが、最終回のあまりな急展開に、これはきっと加筆があるだろうと思って。本屋でぱらぱらと読んでみたらやっぱり加筆があったので、この巻だけ購入しました。
加筆あってよかったと思います。これなら納得できる…かな。なんだかせつないんですよ。
由とミラーの、二人の愛の言葉に、考えさせられます…。「罪ごと愛す」と「好きな人ごと愛す」。
碧はねえ…正直偽善にしか見えないし、由の土壇場での不甲斐なさ(けっこう好きだっただけに)にもがっかりしたけど、目をつぶろう!(笑)

長期連載、お疲れ様でした。
…ああ、ジャックとエレナが読みたい!
「ボディ・アンド・ソウル」古川日出男
2005年03月06日(日)
「ノンフィクションとフィクションの境界を破った、まったく新しい小説の誕生!」だそうです。主人公は「フルカワヒデオ」。
この人の本は4冊目ですが、どんどん理解不能になっていきます。どうしましょう(笑)
「昔久街のロジオネ」夢花李
2005年03月05日(土)
「なつかしまちのろじおね」ゆめかすもも
と読みます。
短編集。絵の大好きな漫画家。
淡い色使いとか線や全体の雰囲気なんか、もうほんとキレイでかわいい。
お話はメルヘンなんですが(笑)
「夕凪の街 桜の国」こうの史代
2005年03月01日(火)
「広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ」とあります。
米光氏がレビューで取り上げていたので読んでみました。
→http://lv99.way-nifty.com/kodomoso/2005/01/post.html

ほのぼのと始まり、主人公のモノローグでいきなり闇を突きつけられました。
そのことがあってからの、主人公の自分に対しての心境の変化に驚かされました。こんな解釈は初めて読みました。でも、確かにそうかもしれない。説得力があって、すごくせつない。
いろんなことを考えさせられる一冊です。


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