.....PAPER MOON
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「LOVELESS 5」高河ゆん
2005年02月28日(月)
5巻が出ました。限定版欲しかったけど、売ってなくて断念。
サクリファイス編が始まりました。(ちなみにその前は「絶対玩具支配者編」)

非常に高河ゆんらしい素敵な漫画だと思うのですよ。
言葉を使った戦闘。攻撃する「戦闘機」とダメージを引き受ける「サクリファイス」のペア。「大人になると取れる」猫耳としっぽ。虐待される少年。消えた兄。「信じる」ということ。
絵的にもお話としても、私はとても好きです。

今回は、立夏の兄、清明の影がちらちらと見えてきた感じでしょうか。
それから、母子の関係の描かれ方がぞっとしました。なんだかリアルで怖い。
「アビシニアン」古川日出男
2005年02月27日(日)
公園で猫と暮らし、文字も名前も失くしてしまった少女。
光を見ると偏頭痛が起きる少年の語る、「顔のない少年の話」。
夫を失い、料理店を始めた女性。

なんだか、不思議な感覚のお話です。
わくわくするけれど、よくわからない、というのが正直なところ。
★★☆
「ブラフマンの埋葬」小川洋子/「エコノミカル・パレス」角田光代
2005年02月26日(土)
「ブラフマンの埋葬」小川洋子
夏のはじめのある日やってきた、ブラフマンと名づけられた小動物。
ブラフマンとの暖かい交流を描いた一冊。

動物好きな人には、すごくしみるお話なのではないでしょうか。
私は、あまり馴染みがないので…なんだかしっくりこないままに読み終えてしまいました。なんとも言えません。
★★☆


「エコノミカル・パレス」角田光代
直木賞受賞で話題の作家。受賞作の「対岸の彼女」は人気でまだ借りられないので、棚にあった中でいちばん新しかったものを借りてきました。

雑文を書きつつアルバイトをして生計を立てる34歳の女性。同居する男性は失業中。
狭いアパートに転がり込んでくる友人のカップル。窓から見える浮浪者。

……すごくリアリティあると思います。行き場のない感じが伝わってくる。
でも読んでてイライラしたし、現実ばかりを突きつけられてるようでつらいばかりでした。
帯に「最高傑作」とか書かれてるんですが。他のも読んでみるべきかなあ…。
★★
「ホームメイド 1」谷川史子
2005年02月21日(月)
漫画家で傍若無人なお母さんと、仏像修理師として家を留守にするお父さん、そして家事全般をこなす高校生の日和子。そんな家族のお話。
短編も1本収録。

相変わらず絵はとてもかわいいです。
「13」古川日出男
2005年02月20日(日)
片目のみに色覚異常のある少年、響一。それゆえに人の見えない色彩を追い求める。ピグミーチンパンジーの研究をする従兄の紹介で知り合った、ジョ族の少年との出会い。そして響一は中学卒業後ザイールへと旅立つ。森の中での生活、死に瀕する体験…。
響一の物語と平行して語られる、部族の少女ローミの物語。小さい頃に洞窟で出会った片足の傭兵との記憶が、彼女の運命を変える。刷り込みによって出現する、マリアとしての人格。
二人の出会い、そして…。

うーん、第一部はとてもおもしろく読んだんですが、第二部は、不可解でした。いったいどういうお話だったんでしょう? どう解釈していいのかわかりませんでした。
★★★
「われわれはなぜ死ぬのか 死の生命科学」柳澤桂子
2005年02月19日(土)
死とはなにかを生命科学の観点から論じた書。生物――細胞はなぜ死んでいくのかを教えてくれます。
中盤の専門的な部分はさっぱり理解できませんでしたが。細胞が死んでいくのが必然であるってことはなんとなくわかった気がします。
序盤の、人間にとっての「死の意味」についてのあたりはとても興味深かったです。自意識、個体性の消滅、無の概念……。
最終章の「死とは何か」では、著者の死生観ともいうべきものが語られています。静かで凛とした彼女の文章に、敬虔な気持ちになります。

「私たちの寿命は、受精の瞬間から時を刻みはじめる。産声をあげる10ヶ月も前から、私たちは死に向けて歩みはじめるのである。」
何年も前に、私たちの細胞は生まれたときから死に向かっているんだという文章を読んだことがあって、ずっと気になっていました。この方の文章だったのかもしれません。

「死によってこそ生は存在するのであり、死を否定することは生をも否定することになる。」
なぜ死ぬのか、なぜ生きているのかを考えたことがある人は、第1、2、10章だけでいいから、読んでみてはいかがでしょう。
「夏の名残りの薔薇」恩田陸
2005年02月13日(日)
山奥のクラシックホテル。金持ちの三姉妹の老女に招かれて、今年も客がやってくる。章ごとに変わっていく語り手、嘘や偽りの記憶が交じり合い、不思議な雰囲気を醸し出す小説世界。

非日常の空間で、人と人との会話などによって過去の罪やら記憶が暴かれていくというのは、恩田陸お得意の世界ですね。次々と語り手が変わっていき、最初の人物をまた違う角度で見る人間の視点になっていくというのは、私はとても好きです。
ふと気づいたんですが、私は恩田陸の小説には、どうしても嫌い、受け付けないっていう人間がいない気がします。どの人も、考え方とかがしっくりきて、けっこう好きだなーって思うし、同じ世界に住んでる気分になる(笑)

なので、雰囲気とかは大好き。三姉妹の作り話の雰囲気とか、いいなあと思います。
でもねえ、今回は話自体にワクワクさせられるかというと、首を傾げる。
あのままで終わったらどうしようかと思って、あのままじゃなかったけどあのままだったようなものだとも言える(笑) 着地してるようなしてないような、不思議な感じ。
ちなみに私は各章のつなぎのところで、舞城を思い出しましたが…。

「真実を嘘の中に隠す」だっけ? そのテーマは、最近私が考えていたことだったので興味深かったです。あと「記憶の曖昧さ」というのも最近考えていたことだったので…。
★★★
「大人になれないまま成熟するために」金原瑞人
2005年02月07日(月)
副題は「前略。「ぼく」としか言えないオジさんたちへ」です。
著者は、芥川賞受賞で話題となった金原ひとみさんのお父さん。

「中高年者が自分が大人ではないと思っていることと、比較的若い人が若さを実感していないことの間には、おかしな捻れがあります。つまり、昔は、自己認識と、自分の実年齢との間で意識過剰に陥る人などいなかったのに、今では、誰もが方向を見失って、意識過剰に陥っているということでしょう。」
どうしてこんなふうに捻れてしまったのかを読みたかったのですが、全部読んでもぴんときませんでした。
★★
「博士の愛した数式」小川洋子
2005年02月06日(日)
第一回本屋さん大賞受賞作。あちこちで評判を目にしていたので、読んでみたいと思っていました。
80分しか記憶がもたない博士と、家政婦として派遣されてきた「私」と、その息子である「ルート」。その3人の交流を描いた作品。

読んでる間、ずーっと泣いてました、私。どう考えても泣きすぎですが…。
まず、博士が子供に捧げる無条件の庇護と愛情のひたむきさ。病院まで背負って走る博士、そしてそれを受け止めるルートがいい。その後のルートが泣いていた理由がぐっとくる。数字に関する博士とのやりとりが、とても暖かくて優しい。
そして、博士の直面している現実が少しずつわかってくると、ほんとにせつない。服のあちこちにクリップで留められた無数のメモ。記憶が失われているという事実を、毎朝突きつけられているんだと気づくあたり。博士にとっては誰もが初対面であり、未知のできごと。
それから、家政婦である「私」と博士との、小さなつながり。友愛数の話と、料理をしているところをずっと見て感心している博士がとても好きでした。

「忘れてしまうこと」は、救いでもあるけれど、こんなにも悲しいことでもあるんですね。
どんなに大切な思い出も、記憶することができない。

とてもせつなく、それと同じくらい暖かいお話でした。
文章自体は淡々としているのに、情感が伝わってきて、一字一句が愛おしく感じられます。

まだ2月だけど、今年読んだ中でベストワンになりそうな予感。
文句なく★★★★★
「DEATH NOTE 5」大場つぐみ・小畑健
2005年02月04日(金)
こんな展開になろうとは…。
すごいですね、もう何もかも詰め込んでしまえって感じですね。刑事さんの人間ドラマまできっちり描くとは(笑)

しかし、これで月の役目はもう終わっちゃったという気がしなくもない。少年漫画初じゃないかってくらいの非道な主人公だったのにね(笑) なんで性格変わっちゃったんだ? エステに行ったらナオミになって帰ってきたーみたいな。(古いか)
非の打ち所のない人間になっちゃったら出番なくなっちゃうのでは? もうすっかりLが主役っぽくなってきちゃってるし。
これからは犯人探しになるんでしょうかね?

大笑いしたシーンが、ビルから落ちるとこで、下の人が「全く嫌な役だな」とか言ってるとこ。(というかその顔)
あー、ウケる。もう、お父さんの迫真のシーンが終わってから、コメディだよ(笑)
ウケたコマ次点は、「再就職だな」で輝いていたお父さんの顔。(輝いていた人大賞を贈りたい)

1冊として同じ展開をしていない漫画なんて、そうそうあるものじゃないですよ。これからもDEATH NOTEは目が離せません。
★★★★
「HUNTER×HUNTER 21」冨樫義博
2005年02月03日(木)
今回はキルアがかっこよかった。(いつも?)
「自分を守れ(逃げろ)」という呪縛と、ゴンを守るために闘うんだという意志、二つに挟まれて苦しむキルア。葛藤している人というのは本当にかっこいいと思います。

しかし、どんどんドラゴンボール化しているような気が…。あの王は、どう見ても、ねえ?
コルトも誰かに似てるし。

それに、どんどんグロくなりますなあ。私としては嫌悪感は感じない類のグロさだけど。
★★★☆


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