「やっぱりそうでしたか」 一方のアンジュは、そんな水面下のやりとりには全く気付かずにふんわりと笑う。「今年の建国祭は盛大らしいですよ。私もとっても楽しみで。 ああ、もしよろしかったら、お祭りではご一緒させて頂いてよろしいかしら?」「――は?」 驚いたのはティオたちばかりではなかった。リディアは声こそ上げなかったものの、明らかにぎょっとした顔でアンジュを見ている。