二人の会話に特に異論もないのでティオは口を挟まない。「宿に戻る」 ただそれだけを告げて、歩き出す。「っつ……」「ピ」 傷が痛んで、宙を舞うアニスが心配そうに旋回する。今少年の肩や頭に止まることの出来ないのがもどかしいと言うように。「待って」 少し慌てたようにルウファが振り返る。「ここからだったら宿よりあそこのほうが近いわ」