「頼んだぞ、カサネ」「御心のままに」 彼女は静かに頭を垂れ、王の前を辞した。「ヌバタマ」 城の廊下を歩きながら肩の上の相棒に向かって語りかける。「時は確実に流れているな」「ピィイ」「ああ、まだ少し早い」 中庭に差し掛かると風が吹いた。「今しばし、我等は傍観者たり得るということだ」