「硝子の月」
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2002年04月14日(日) <蠢動>瀬生曲

「頼んだぞ、カサネ」
「御心のままに」
 彼女は静かに頭を垂れ、王の前を辞した。
「ヌバタマ」
 城の廊下を歩きながら肩の上の相棒に向かって語りかける。
「時は確実に流れているな」
「ピィイ」
「ああ、まだ少し早い」
 中庭に差し掛かると風が吹いた。
「今しばし、我等は傍観者たり得るということだ」


紗月 護 |MAILHomePage

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