「硝子の月」
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「どこへ行って何がしたいのか明確に述べてくれたまえ」 「とりあえずお前のいない所だな」 物凄く嫌そうな表情でそう言ってやる。 「俺のことはほっとくことにしたんじゃなかったのかよ」 「僕は優しい男だ。困っている子供を見捨てるわけにはいかん」 「誰が子供だ!」 大真面目に言われて怒鳴る。 シオンは初めて嘲(るような笑みを見せた。 「子供だよ。自分の状態も周りの状況もわきまえずに勝手に行動しようとする。大人のすることじゃない」 (何だこいつ……あの女(に対するのと態度違い過ぎだ) 同じく扱ってほしいなどとは毛頭思わないが、面白いことではない。
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