「硝子の月」
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「どこへ行くんだ?」 ドアを開けた少年にシオンが問い掛ける。 「外だよ」 仕方なく顔だけ振り向いて答える。 「よし、では僕も行こう」 「来んな」 当然即効で断る。 「そんな体の君を一人で外に出して何かあったら僕がルウファに怒られるだろう」 「一緒に来て何かあったらそのほうが怒られんじゃねぇの?」 しばしの間。 「……そうか。それにこいつに何かあって戻ってこないようなことになったら、彼女もくだらない『運命』とやらに見切りをつけることだろう。そして! 『僕の胸でお泣きよハニー』ってな塩梅か!」 「派手な独り言だなオイ」 馬鹿馬鹿しくて付き合っていられない。
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