「硝子の月」
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2002年01月16日(水) <成り行き> 瀬生曲

 少年は一向に去る気配を見せない。どうやらティオに用があるらしい。
「何だよ」
「えっと、その……」
「…………」
 折角収まった苛立ちが再びぶり返す。
 三秒だけ待って、ティオはくるりと背を向けた。
「あ! ま、待ってください!」
「用があんなら早くしろ。殴るぞ」
 不機嫌全開で肩越しに振り返る。
「はい! あの…」
「!?」
 突然の殺気に、ティオは反射的に上体を反らせた。


紗月 護 |MAILHomePage

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