少年は一向に去る気配を見せない。どうやらティオに用があるらしい。「何だよ」「えっと、その……」「…………」 折角収まった苛立ちが再びぶり返す。 三秒だけ待って、ティオはくるりと背を向けた。「あ! ま、待ってください!」「用があんなら早くしろ。殴るぞ」 不機嫌全開で肩越しに振り返る。「はい! あの…」「!?」 突然の殺気に、ティオは反射的に上体を反らせた。