「硝子の月」
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2001年09月21日(金) <旅立ち> 瀬生 曲

「さーて。どこに行くかな」
 やっと手に入れた自由に少年は大きく伸びをする。ルリハヤブサは肩を離れた。
「なぁ、お前はどこに行きたい?」
 自分の頭上でくるりと輪を描いた親友に尋ねる。彼はまた少年の腕に止まり、肩まで移動すると頬に頭を摺り寄せた。
「ピィ」
「うん。俺もお前がいればいいよ、どこだって」
 そう言う少年の微笑が寂し気なのは仕方のないことなのだろう。おそらく本人の自覚はあるまいが。


紗月 護 |MAILHomePage

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