「スキヤキ連れてったる。」
そう約束してくれたゴールデンウィーク明け。
でも、それからもリュウの態度は冷たくて
私は半ばスキヤキの約束は諦めていた。
でも、この思いだけは伝えておきたくて…
仕事を辞めたらメールで告白しようか。
そんな事を計画していた。
だけど、あの飲み会の日。
リュウの隣で座って話をしたあの日。
リュウは言ってくれた
「約束通り、肉、食わせてやるから。」
そう言いながら誰かの食べ残しの焦げた肉を差し出すリュウ。
「あー、コレが肉なんだー。
うわッ、やーさーしーぃー」
私たちは笑いながらそんな話をしていたけど
「ちゃんと連れてったるから。」
そう、リュウは言ってくれた。
その後歩いて帰る私を心配して電話をくれた時も
「肉、連れてったるからな。」
と、優しく言ってくれた。
優しく
優しく
語りかけてくれた。
私はまた期待してしまった。
きっと、昔みたいに戻れるんだ。
ってそう期待してしまった。
でも、また期待して傷つくのが怖くて
私は自分の中に防御線を作った。
飲み会の時は酒が入ってたから
ただ単にそういう場所だったから。
きっと明日からはまた冷たいリュウに戻っちゃうんだよ。
そう、自分に言い聞かせた。
私、期待していいのかな?
まったりとした「リュウが好き」という気持ちが
また心を締め付ける程、再燃してしまった。
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