翌日土曜日。
薄井君に再会した。
時間を延々と延ばした上、遅刻してきた薄井くんに
しょっぱなからイライラした。
スープラで現れた薄井君の車に乗り込み
食事へ向う。
その間の会話は苦痛だった。
「昨日もさー、車の走行中にケンカになってぇー
相手半殺しにしてやったよぉー」
は?
だから?
私、暴力的な人嫌い。
ましてやそれを自慢気に語る人なんてもっと嫌い。
しかも、目の前にいる男はモソモソ喋る。
こんなに近くで喋っているのに
は?
今何て言った?
って聞きたくなるくらいモソモソ喋る。
ハッキリ喋ってよ。
そう思いながらレストランに着いた。
ご飯を食べながら、私は今回の話をしておいた。
「大好きな人がいる。」
「今でもその人を大好きだ。」
「今回は哲くんと遊ぶ予定だったけど、彼が3時まで仕事だって言うから
他に遊べる人を探してた。」
彼が何か期待しないように。
彼が何か勘違いしないように。
きちんと伝えておいた。
それでも薄井くんは恋愛話をしてくる。
「優しいだけの男じゃダメなのかなぁー」
は?
それって自分の事?
私、男に優しさってあんまり求めてないの。
ていうより、自分で自分を「優しい」って言っちゃう人ってキライ。
目の前の男がゴリに見えた。
そしてカラオケへ行き
ストレス発散のために歌いまくり
3時には哲くんも合流して3人で歌いまくり
そして私は
哲君の車で家まで帰った。
それが全ての間違いだった。
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