決別のメールを送った私は
途端に気が楽になった。
気持ちの切り替えができたと言うか。
彼からメールが来る事はないんだ。
彼の電話の態度から悟った事。
それを自分自身に言い聞かせた。
メールの着信音が鳴っても
リュウからじゃない。
そう思いながらメール画面を開く。
そう思う事自体まだ彼に縛られているけど、
受信画面を開いた時にガッカリする事は無くなった。
だけど、携帯を見るとどうしても苦しくなる。
彼と全く同じ携帯。
彼の指から指輪は消えていたけど
彼の携帯からストラップは消えたのだろうか。
私は、ネイル用のストーンやシールを携帯に貼りまくった。
ふたりで喜んでオソロにした携帯だけど
今は、私がひとりで浮れてオソロにした気がして
虚しくて
寂しくて
辛くて
私は、少しでも彼の携帯との違いを作りたかった。
だけど、もし、彼が戻ってきてくれたら・・・。
そう思って接着剤を使わずにテープで貼り付ける。
どこか振り切れてない思い。
だけど、きっとすぐに忘れられる。
そう思っていた。
そんなある日。
私は普段10:00〜18:00の仕事を早出して17:00に会社を出た。
その頃数日間は4月とは思えない暑い日が続いていて
彼は仕事が終わらず、私が帰る時間まで、戻って来なかった。
顔は見たかったけど
会うのは辛いから丁度いいや。
そう思って帰った。
その日の夜。
メールの着信
もう、彼からのメールが届かない事にはスッカリ慣れてしまって
私は何気なく受信画面を開いた。
その瞬間。
心臓が高鳴り始めた。
送信者
リュウ
「今日、休みだったようだけど、体調でも悪いん?」
私の退社後に帰ってきた彼。
私の車が無い事に気付いてくれた。
私の事、少しは気にしてくれてる。
嬉しくて
嬉しくて
嬉しくて
すぐに返信をした。
「別に何でもないから気にしないで
って言ったら気になる?
つか、普通に仕事してたよ。
9時に出勤したから5時に上がっただけー」
だけど、それっきりメールは来なかった。
優しい言葉なんて
かけて欲しくなかった。
期待なんて
させてほしくなかった。
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