行き過ぎだから、神。 - 2006年05月14日(日) …やってしまいました。 人様のところのお呼ばれ原稿だということは充分承知、…しているつもりだったのに、大枚18枚もの原稿を書いてしまいました。 つまり、仕上げたの。 神、降りてくると異常に私に無理を強いるね、神。 ゴールデンウイークは東京大阪と飛び回りちっとも休めず一週間、当たり前のように会社は休みが無くて毎日平均12時間労働。 …その中で、たった3日で書き上げてしまいました。 いつ寝てるんだ、私。もう若くないんだから、死ぬぞ。いや、マジで。 現在の時間が午前3時、もう昨日になってしまいましたが、起床、5時。それから会社行って仕事して、帰宅して食事も摂らずに自動書記。 神、マジで死ぬから。 ハイ、もう勝手にCMしてもよろしかろう、(無許可かよ)書かせて頂きましたのは、ガンダムWの4×3です。 5/28、「DRASTIC HARLEM」というカトルONLYイベントにて発行なさるらしい、【NOMADE】様の「君の香りがする雨」(依頼段階では「仮題」だったので変わってるかもしれません)という新刊に、招いて頂きました。 聞いてびっくり、ゲスト私一人だったのかよ!と。 いや、あまりに筆が滑るんで、不安になってサークル主さんに「他の方の枚数との兼ね合いはどうすれば?」と聞いたら、「欲しかったのは貴方一人の原稿!」と言い張られてしまいました。 …依頼書がやたら気合入ってるから、前回同サークルさんが発行されたトロワONLYアンソロジー(呼んで頂きました。1×3を書かせて頂きました)くらい、人数集めてるもんだと、勝手に信じていた私。 ちなみにその前回の本、私が3年は本出さずに貯金しないと出せないカンジの超豪華装丁で、本文用紙が110k、表紙は当然フルカラーPPクリアで単価80円以上なカンジの210kくらいある、キラキラの素敵な本でした…。 確か170Pくらいは軽くあったはず。 それはおいといて、今回。 久々に、腱鞘炎になりそうにキーボード打ちました…。 ああ、原稿を終えたときの、書きたいものを書いたときの(ゲスト原稿でやりたい放題ってのはどうよ私)、この高みが忘れられません。この、昂揚感、この、感触。 ───何だかこれだけの情報ってのが勿体無い気がするんで、ちょっと本文抜粋してみようかな。 それで、誰かに読んでもらえたら、感想とかもらえたら、幸せ。 …私のガンダムWが読めるのは、【NOMADE】さんの御本だけです。 だってもともと、畑が違うし(笑)。 でも、欲しい、と言ってくれて、書きたい、と思ったので、書きました。 書けて、良かった。 タイトルは、【The Name was Lost.】 抜粋部分の10倍はあると思ってください…。 僕たちは闘った。 世界なんてものを、護るために。 けれど僕たちは闘った。 世界を、実は叩き壊す、ために。 どちらが見事に成功したのだろう。 人を殺せるほどに、『人』を遂には壊せるほどに、僕たちが何の力を持ったというのだろう。 世界を叩き壊すために、振り上げられた金鎚。 それが、僕たちだった。 「全く見事だったよ。見事すぎて、声も出ないほどだった」 壊した世界から、ほろりと、毀れたように存在していた。 僕たちの過ちを、おそらくは、完遂させるために。 奇跡という言葉は、彼のものだ。 奇跡という名前は、彼だけが持てるものだ。 彼は、それ以外の名前を、持たないから。 「ねえ?…人の名前を借りた、君」 仮面を被り続けた、彼。 仮面というよりも、本来の姿、を、どこにも持たなかった、彼。 いつでもどんなときでも、『誰』にでもなれて、その実『誰』でもなかった、彼。 「僕は、君を憎くさえ思うよ。好意は変わらないのに、───こうして君を傍に置いて、どんどん好意の比重は増しているのに。なのに、どうして君を、『憎い』と思う瞬間があるのか───不思議だよ。どうしてだろう。その身体を抱くことも、穿つこともできるのに───できるから、かな?」 さらりと、その長い前髪に触れた。 彼には、何もない。 彼には、名前さえない。 彼を縛るものは、本当はどこにもない。 その事実は、歴然とこうして今も此処に在る。 【彼】は無いのに、その【事実】だけは、あまりにも歴然と、存在している。 * * * * * * * * * * * 僕は、君を奪ってしまいたい。 でもそれは、一体『何』から? 何処にも属さず、何も持たない君を、一体どうしたら、手に入った、と思えるんだろう。 「君が、何物にも、何処にも、…名前さえ、生命さえ、属していないのが、憎い。ああ、そうだね、僕は確かにその辺りから、君を『憎い』と思い始めた。失うものさえ持たない君───それを羨ましいと思ったんじゃないのは、確かなのに」 気楽な身分が羨ましい、なんて、軽いものじゃない。失うものが無いなんてカッコいいね、なんてモノじゃ、決してない。 この気持ちは、そんなに浅薄なモノじゃない。 もっと深い処で、失うものが何も無いなんて、憎い、と思った。 この屋敷に閉じ込めて、全てが終わった顔をしながら、どんどん透明になっていく彼と、一緒に、居て。 「ねぇ。───此処に来て。僕の腕の中で、殺されるかもしれないと思いながら、抱き締められて」 僕に殺されるかもしれないと、戦慄しながら、僕の腕の中で、震えて。 そう、僕は、君を殺すかもしれない。 殺したいと思ったことがないわけじゃない。 確かに僕は、殺意を持った。明確な殺意でもって、君を傷つけた。 ───ただ一度きりのその機会に、失敗してしまったのだけれど。 腕を伸ばしたら、彼はするりと、まるで毛布に包まろうとするかのように自然に、僕に身を寄せた。 そうする事が、まるで決まってでもいたかのように。 「…この腕の中は───何も起こらない場所だと、俺は、知ってる」 殺されるかもしれないと思ってと、僕は言った。 そんな事にはならないと、彼は言っている。 長い睫毛を少し伏せて、これから眠ろうとする子供みたいに、穏やかな表情で。 綺麗な綺麗な、面で。 その様子を見るたびに、見たこともない既視感に襲われる。 見たこともないものに、彼はあまりにも似すぎている。 それを見たことは無いのに、彼を、それのようだと、まるでそれみたいだと、感じてしまう。 「僕は一体、何を抱き締めてるんだろう?」 * * * * * * * * * * * ああ、なんて。 言葉に出来ない言葉が、溢れ出して涙になっていくのが、解った。 ああ、なんて、と何度も思った。 なんて綺麗なんだろう。 なんて、透明なんだろう。 何もかも見抜いてしまうような透明で透明で、一点の濁りも無い。 「僕、は───」 君を、信じていた。 こんなにも、君を信じていた。 そうだ、君という存在を信じて、信じていたからこそ、君に執着した。 ここで世界が終わってしまえと思うほどに、君に、執着した。 「お前は、お前にだけ厳しすぎる。お前は、お前以外の何もかもに優しすぎる。だから、ほんの一言でさえ、俺にぶつけられない。壊すとか、そんな抽象的な言葉しか、ぶつけられない。そんなもので、【壊れる】はずなんて無いことを、お前が一番よく、知っているからだろう」 「…綺麗すぎるよ。その言葉は、綺麗すぎる。僕に似つかわしくなさすぎる」 君から見た【僕】は、なんて綺麗なんだろう。 憧れさえ、してしまいそうだ。そんな存在になれたなら、と、憧れさえ、抱いてしまいそうだ。 君の中に棲んでいる、綺麗な、綺麗な、僕に。 その【僕】はあまりに綺麗だから。君が思ってくれる【僕】は、本当に、綺麗だから。 そんなモノには決してなれない本物の僕は、ただ馬鹿みたいに、かぶりを振る事しかできなかった。 読んでくださった方、もしいらっしゃったら何か言ってください…。←超弱気 -
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