★ 夏海の日記 ★

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2006年01月31日(火) 私が私であったことをやめてしまう必要などない

私が蟹さんのところへ行っていた時の話です。
蟹さんが行きつけのお店へ行って 晩御飯を食べていたところ、私に格安の部屋紹介してくれた不動産屋さんが来ていました。
調子はどうだい?って話から、軽くお喋りをしていて、そのお店のお嬢さんにお願いしていた『行きつけのお店』のアルバイトが断られて、誰か良い人 いないかなぁって話をしてたのね。
それを隣で聞いてて、「あの...私、3ヶ月しかいないけど、短期で良かったら、次の人が決まるまでの間、バイトしても...」って言ってから、
あぁぁぁぁぁしまったーーー(><)って思ったんだけど、もう遅かった。

きらきらした目で見られて、そうかっ!じゃぁ 明日一緒にお店へ行こう!って言われて、その途端にもう決定してしまったことだよ。

そのお店は焼き鳥屋さんで、常連さんしか来ないお店で、お客さんは とっても上質だから、酔っていても絡んでくる人など 一人もいないこと。
お店は暇だから、接客している以外は、いすに腰掛けて休憩してれば良いこと。
お腹が空いたら 何でも好きな物を食べたり 飲んだりして良いこと。
カウンターは マスターが担当をするから、その他のテーブル席だけを私が担当すれば良いこと。
注文を取って、マスターに告げて、料理を出すのが私の仕事で、その他は 洗い物程度で 金勘定はマスターがしてくれるので、とっても気楽なお店だと言うこと などを説明され、いざ出陣
月水金の週3日 6時から10時までが私の働く時間で、お客さんの都合もあるから、10時を過ぎるかも知れないから、でも残業手当を計算するのは面倒臭いから 残業しようと しまいと この金額で って言われて面接終了。
では、明日から
え゛っ 明日からッスか?!
次の日から、私は 焼き鳥屋の店員になりましたとさ。

そこのお店の店長が沖縄から出てきた人で、物凄く早口で言葉は乱暴で、忙しくなると、機嫌が悪くなって、そんな時に作るのに時間がかかる物を注文されると、チッとか言って、「この急がしい時に そんなもの注文するなよな」とか小声で言って注文を断ったり、
今日は美味しそうな『うなぎ』が売ってたから 買ってきた。食べるかい?ってお客さんに勧め(もちろん定番商品ではない)、その時の気分や仕入れ値で売値を決めて振舞ったり、それがサンマだったり

お客さんは社長さんや重役さんたちがほとんどで、マスコミ関係の人もいたかなぁ(でも、それも重役さんだったりする)地元の名士とかも。
だから、みんな穏やかな常連の仲良しさんばっかりで、お店の雰囲気は 穏やか〜な居心地の良い空間で。
みんなが私を可愛がってくれて、好きなもの 飲みなさいって(でも、アルコールがダメなの^^;)言ってくれて、これ食べなさいって アーンってしてくれたりして、お客さんに餌付けされてました。

でも、緊張するのは 緊張するので、自分の仕事(注文を取ったり、給仕したり)が終わると、冷蔵庫の陰に隠れてじっとして
また呼ばれて仕事をして、また冷蔵庫の陰に隠れて を繰り返していました。

もともと預けられていた伯母がお店を持っていて、赤ちゃんの頃からお店に出ていたので、接客は好きだし、酔っ払っている人も大丈夫だったのね。
料理も好きだから、これ作って とか言われて 何だか 最初に聞いた条件とえらい違うぞって思いながら 調理をしたり、
後から聞いた話だと、月水金は忙しい日だってことで、椅子に腰掛けてなどいられない目の回るほど急がしい日がほとんどで、
その上途中で氷が足りないやら ポテトが足りないやら 鶏肉が足りないって言われておさつを握り締めて買出しにまで行かされて、そりゃーもう めーいっぱい働いたよ。
でも、楽しかったなぁ。

で、最後の日 常連さんの一人に言われたの。
「こんなはずはない。いつか化けの皮がはがれて本性が出るだろうっていつも見ていた。でも、君はずっと そのままだった。」って。
「だから、君は君のまま そのままで良いんだよ。変わる必要などないんだよ」って。

それを蟹さんに言ったら、「だから、こうなったんだ。って言い返してやったら良かったのに」って言われました。
その時は その常連さんの言葉に嬉しいと思いながらも、蟹さんの言うことも確かにそうだよなぁって違和感を感じながらも納得したんだけどね。

でも、最近思うの。
あれ〜?
私は 私のままじゃん!って。

ずいぶん回り道して、私は 私に帰っていったって感じ?
私は昔から こうだったよなぁって。
ただ それを忘れていただけだったんだって。

人に嫌われるのが怖くて
父親に怒られるのが怖くて
自分を殺して 人のことばっか優先して 人の頭で考えてたんだけど、
私がまだ子供の頃
幼稚園や 小学校低学年の ほんとうに 小さな頃は、私って 今の私だった気がする。
お転婆で、元気が良くって、外で遊ぶのが大好きで、負けず嫌いで、ガキ大将で、頑固で、ガハガハよく笑って、何でもおいしく食べて、

すっごい遠回りをして、また私に戻って来たんだよね。

そういう話を昨日(今日は2月16日なのだー)上司としていたら、当たり前じゃん!何で 自分を変えないといけないの?って言われた。
自分が気が付いて、そう思って 変えたいと願ってするのなら、良いけど、無理してそれをやる必要なんて、言われてやる必要なんて、どこにあるんだ?ってね。
そんな無理をすると、ストレスが溜まる。
ストレスを溜めるようなことなんて、するべきじゃない!って。

上司いわく、
人生 無駄なことなど一つもないって思ってる。
苦しいこと、辛いことを 苦しい、辛いってどんどん落ち込むより、じゃぁどうしようって思って考えたりして、苦しい時は薬を飲んだりして、で、ああ あの時は苦しかったよなぁって乗り越えた時は自信になる。
人は経験することで学習していって、悩んだり 落ち込んだりしていって成長していくんだから、無駄なことなど 一つもないって思っている。って。

私もね、すっごく苦しい思い、怖い思い、辛い思いを 長い間 いっぱいして来たけど、良いネタが増えたよなぁって思う。
これって 根っからの関西人だからなのかなぁ?
失敗したことって、後で ネタとして おいしいじゃない?
それに、苦しいとか辛い思いをしたから、その人のことを理解してあげられるし。
(まぁ私は私でしかないので、全てを理解するのは不可能なんだけど)

二人の共通の考えなんだけど
人生 一生懸命生きる経験って体験すべきだよね。すっごく悩んで、すっごく辛い思いをして、もの凄くへこんで、打ちのめされて
それを できるだけ 若いうちに 経験しておくべきだよねってこと。
そういう経験をしていると、打たれ強くなるから。
辛いことがあっても、経験上ここまでは大丈夫だってことが 自分でわかるってことは、物凄く大切なことです。分かってるってことで 無駄に慌てないで済むから。

結局 ゴールは 同じ(死)なんだから、そこへ至る道なんて、千差万別であって然るべき。
東京から名古屋まで 新幹線で来るのは良いけど、それじゃー味気ないじゃない?鈍行には 鈍行の楽しさがあるじゃんって上司は言うのね。

本当に 良い上司に恵まれて 良かったなぁって思って めぐり合いに感謝してます。
あの時、年齢で諦めないで 電話して良かった。
足をガクガクいわせながら、電車と地下鉄に乗って 面接に行って良かった。
この会社に派遣されて 良かった。

何だかよく分からないけど、それを何て呼べば良いんだか 分からないけど、『大いなるもの』に 感謝しています。


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