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2013年09月25日(水)
台風現場中継 「人災」の恐れ (55歳)

静岡新聞社「ひろば」

過日、台風18号の様子をインターネットやテレビで確認しながら、
なかなか寝付けない夜を過ごした。
特に気になったのは、若いリポーターが、台風のリアル感を出すためか、
濁った水が勢いよく流れる川の近くや、強風に逆らいながら、
実況中継をしている姿である。
最近では、スリムな体格をした女性まで、ヘルメットを押さえながら、
目を開けられないほどの雨の中を、必死でリポートしている。
しかし、突然の変化でアクシデントに巻き込まれることもあり得るから、
テレビ画面に向かって「台風の凄さはわかったから、もう安全なところへ」と
叫びたくなってしまった。
同じ年代の子を持つ親としては「心配で見ていられない」が本音である。
「危ないところへは近づかない」と訴えている報道が、
一番危ないことをさせている気がするし、
「危機管理」という言葉が、机上の空論にならないためにも、
台風時の現場の中継は中止すべきだと思う。
それは「自然災害」ではなく、間違いなく「人災」であるのだから。