moonshine  エミ




2003年06月13日(金)  まさか自分が遠距離恋愛。

 仕事のあとプレアデスへ。
 6時半から始まるこのライブハウスに、平日も間に合うような季節になった。
 感無量。

 ・・・しかし、1つのバンドがキャンセルになったため、7時20分から始まることになっていた。
 急いで損した。
 店の前で、だらだらしゃべる。
 気になってたことを、相手のほうから切り出してくれた。
 
 魚座。
 この日のセットリストは、

  「海」(ポップス)
  「カスタネット狂い」(ブルース)
  「俺は帰ってきた」(ファンク)
  「夏の踊り子」(あ、これだけ言わなかったな)
  「穴」(歌謡曲)
  「夜の二人乗り」(ロック)
  「雨」(フォーク)

 の7曲で、カッコの中のジャンルを、一個一個、藤井くんが挙げながら歌っていった。おもしろかった。「これが魚座のファンクです」なんて。
 聞くのが2回目になる「穴」が、かなりキた。
 付き合ってる彼女の頬にできたニキビが弾けて穴ができて、そこから覗き込む、っていうような歌。文学だ! 
 ふし穴、落とし穴、っていうように、「穴」って言葉は基本的にマイナスイメージだよね。
 でも、この歌における「穴」がプラスイメージなのかマイナスイメージなのかがどうしても判然としないんだよね。すごくあいまいなの。
  「私たち本当は 幸せなのかもしれないね
   明日は二人して お芝居みましょうね」

 ここの歌詞が、メロディーと相まってかなり耳に残る。
 幸せなのかも、と歌ってるけど、「幸せだ」って断言してはいないんだよね。
 そこがなんとも、はかなく、うつろで、文学的だ。

 そのほかの曲も全部全部好きな曲だったので、
 おおいに嬉しく楽しかったのだけど、
 この日の魚座はなんとなく、さくさく、と進んでいった気がした。
 大きな声で伸び上がりながら歌う藤井くんだけど、なんとなく、淡々とした印象だった。
 ライブ前の様子とか見てるから、こういうふうに感じるのかしらん。

 ムラサキヤッコ。
 先日のメガネロックフェスティバルに続いて2度目の拝見。
 もう、すばらしかった。
 小柄なムラサキヤッコさん。ギター一本を携えたムラサキヤッコさん。
 なのに、一曲目から、プレアデス中がヤッコ色に染まる。
 あの人の弾き語りは、すごい。本当に。
 弾き語りって、ともすると、ひとりよがりっぽかったり、なんといっても音数が少ないのでしみったれた雰囲気になっちゃったりするけど(そういう弾き語りを見たもんなーこないだ・・・苦笑)
 うまい、ステキな人の弾き語りって、いいよねえ。
 それ以上なんにもいらないと思うもん。
 くじらしかり、フラッシュさんしかり、ヤッコさんしかりだ。
 そうそれに、魚座の藤井さんの弾き語りもね。
 吸い込まれていくようだった。
 そして、ヤッコさんのライブでもう一つの見どころは、MC。
 これがもう、おもしろくて、ほのかに恥じらいがあって、なんともステキなのだ。
 CD持って来てたらしい、買えばよかった!! 痛恨。

 エアールース。
 初めて見た。
 ギターボーカルとベースの男の人のユニット。
 楽器屋に行くとしん氏が熱心に見ている機械(名前なんていうの?)を、バックトラックに使いながらの演奏だった。なるほど、ああいう使い方するのね。
 セッティングのときの、試し弾きしてるベースの音に「ウワー。」
 ぶりっと太い、重く跳ねる、かっちょいい。
 たぶんもう長いことやってるユニットのようで、ファンがたくさん来ていたし、彼らを見に来ているバンドマンも多いようだった。
 演奏、うまい。
 しかし、演奏以外のことで、ハラハラさせられた。
 終わってからお友だちに「いつもああなの?」と聞くと、「そうだよー」だって。
 ふーん。別にいいけど・・・。
 ルックスといい、キャラといい、あのパフォーマンス(?)といい、ファンのノリといい、
 なんとなく、少女マンガに出てくるバンドって感じだなーと、思った。
 
 終わってからおしゃべりなどしていると、さちゑちゃんがワンコを連れて来た!
 龍之介くん。りゅうちゃん。
 めちゃくちゃかわいかった!
 いとおしまずにいられない、ワンコ。
 毛並みがうつくしく柔らかで、黒い大きな目が澄んでて、おとなしくて、利発そうだった。
 さわりまくった。
 あんなにワンコと戯れたのは人生初でした。
 シマゼンさんに焼酎をつくってもらい、飲む。おいしー。焼酎はおいしい。


 さて、ムラサキヤッコさんの曲に「大丈夫」というのがある。

 江戸っ子ふうに言うと「でぇ〜じょうぶ」(この日のヤッコさんMCより)

 職業は?と聞かれたら、「侍です」と答えてる私が、
 桃太郎侍ふうに作ってみた曲(メガネロックフェスでのヤッコさんMCより、エミ編集) 

 そんなこの歌は、数え唄ふうになっている。

「ひとつ ひとりごとつぶやいて
 ふたつ ふたりじゃないことに気づく
 みっつ 見つめあうことも ままならぬ」

 こんな感じで(ちょっとうろ覚えですが)始まるこの歌、
 メガネロックフェスで初めて聞いたとき、
 みっつまで数えただけでも、なんだか涙が出そうになった。
 今日もやっぱり、いや前回よりももっと、涙腺がゆるみそうになった。
 遠く離れている恋人同士の歌なのだ。

 昼休み、シズラー時代のお友だち、よりちゃんに他愛もないメールを送ったら、
 返信に
「おたがい遠恋がんばろうね!」
 とあった。
 
 ちょっと、はっとして、愕然としてしまった。
 わたし(たち)、遠距離恋愛をしてるんだ・・・。
 いや、もちろんわかりきったことなのではあるが、
 なんとなく「遠距離恋愛」という語彙が、まだ自分には馴染まない。
 そして、それは何となく喜ばしいことのような気がする。
 私にとって「遠距離恋愛」という単語は、どうも「さみしくて苦しくて不安で」というイメージを喚起させるもの。
 目下の私は、さみしくはあるけどあんまり苦しくないし、不安でもない。
 もちろん、これからもそうかというと、わからないけど。
 しかし、しんちゃんは、私の心境とはまた、違うだろうな。
 見知った街、仲の良い人たちみんなと離れて、ぜんぶ一からスタートしてるだから。
 そういう新生活を送っている人はたくさんいるのだけれども、やっぱり、
 しんちゃん、がんばってるなー。と思う。 





↑エンピツ投票ボタン 押すとコメント変わりまふ

My追加
Mail Home

BBS blog


<< >>