500文字のスポーツコラム(平日更新)
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2002年09月18日(水) 悪質な反則には厳しい対応を

 15日のG-T戦(東京ドーム)、1点を追う阪神、9回表の攻撃。1死1・2塁で代打・関本がレフト前ヒットを放った場面でそれは起こった。
 2塁ランナー・アリアスは同点を狙って3塁を蹴ろうとした。その時、サード川相がベースの内側に右足を一歩踏み出し、アリアスと接触。バランスを崩したアリアスはホームに帰れない。星野監督はベンチを飛び出し守備妨害をアピール、審判も妨害行為自体は認めた。だが、もしアリアスが本塁に突入しても得点できなかった(アウトになっていた?)と審判団が判断し、1死満塁からのゲーム再開となった。
 結果的には、この後赤星の逆転タイムリーが出て阪神が勝利を収めるのだが、この判定は不可解極まりない。まず、外野に打球が飛んで、ランナーが100%アウトになることはない。送球が逸れる事もあるし、いい送球でもキャッチャーが落球することだってある。タイミング的にアウトだからという論理は、野球というゲームにおいては本来成立し得ないのだ。
 確かにルールブックでは妨害が無かった場合の状況を審判団が推察する事になってはいるが、状況が5分5分である場合には「妨害を犯した側」に不利な判定を下すべきで、「妨害された側」に不利益な判定をするのは明らかにルールの適用ミスだ。
 もう一つ考慮すべきは、この妨害の悪質さである。2塁から一気にホームを狙う走者は体を傾けながらトップスピードで3塁ベースの内側を蹴る。この時に相手の三塁手に足払いを掛けられたらどうなるか。危険な転倒をする可能性があるし、大きな故障となって選手生命を脅かす事だって否定できない。サッカーではこうした悪質なファウルに対しては一発レッドカードで退場だ。川相の犯した妨害はこれに匹敵する。もし守備妨害があったと認めるのなら、同時に川相に退場を命じてもおかしくないとさえ私は思う。
 審判には試合を円滑に進行させる事と同時に、選手の身の安全にも特段の配慮を求めたい。


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