500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2002年09月17日(火) 球団名と企業名

 月初め、「大阪近鉄バファローズ」が運営会社名から「近鉄」の文字を外すというニュースが報じられた。親会社の経営が苦しく、球団株式の売却をしやすくするべく「大阪バファローズ」にするというのだ(電鉄本社は否定したが・・・)。
 この一連のニュースを通じて驚いた事がある。親会社名が球団名に入っていないと、球団の損失を親会社が補填する場合、それが宣伝費として認められず税法上不利が生じるという事だ。私はこれまで、球団は地域の公共財でもあり、Jリーグのように企業名を外すのが理想的だと考えてきた。しかし、「企業名」にも、一応の合理性はあったのだ。
 ということは球団名から企業名を取れなくしているのは、実は国税庁?。企業名のない横浜ベイスターズはどういう扱いなのだ?。Jリーグは不利益を承知で企業名を外しているのかな?。阪神タイガースは「阪神というのは地域名だ」と主張してきたが、少なくとも税法上は企業名扱いなのだな・・・とか、色々考えてしまった。ならば球団を税法上有利なNPO法人にできないか。いやこれは協約で「球団は独立した株式会社」と定められているからダメか。難しいものだ。


NPO化は荒唐無稽ではない(9/17)

 前段で書いた「いっそ球団運営会社をNPO法人に」というのは、決して荒唐無稽な話ではないと思う。
 J2の湘南は今年4月、スポーツ振興活動を多角的に行うためのNPO「湘南ベルマーレスポーツクラブ」を設立した。トップチームは従来からの株式会社が運営するが、サッカー教室などの地域密着=還元活動はNPO法人といった具合に役割を分担、さらにビーチバレーやトライアスロンの普及振興も行なう形式だ。
 近鉄球団は将来の市民球団化を視野に入れているという。その場合、特定企業の宣伝媒体である必要はなく、税法上「宣伝費」として処理しなければならない理由も消滅する。ならば、次に考えるべきは球団単体の税務処理をいかに有利にするかという問題であり、NPO法人化もその場合の選択肢となる可能性は十分ある。NPO法人化によって地域メセナの側面もより鮮明になると思われるのだが・・・。


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