2005年06月20日(月) 表記についての諸々。
昨日六月一九日は太宰治氏の誕生日であり命日(玉川上水に入水した遺体が発見された日)でもある「桜桃忌」だったのですが、六年前からはそうは呼ばれなくなったのだそうです。知りませんでした。
何と呼ばれるようになったかというと「生誕祭」。何でも御遺族の意向でそうなったのだとか。
こういうことを言ってはナニですが、太宰の御遺族のみなさんは御気持ちが×××と思うんですよね。「人間失格」というタイトルのドラマが放送されるときも、内容自体は太宰の作品と何ら関係がなかったのに何かと文句を言って結局改題させたし、「桜桃忌」だって太宰が亡くなった翌年から九〇年もの間使われ続けた趣きある言葉なのに、「おたんじょうび」とたいして変わらない、誰に対しても同じように使われてしまう言葉に変えてしまうなんて、御遺族の意向があるとしても太宰自身はあまりよろこばないんじゃないかと思います。
さて、まるっきり話題が変わります。
過日当記事に書きました各新聞の「性転換手術」という表記について。
性同一性障害治療の外科手術は「性別適合手術」と呼ぶのが正しいのであって、「性転換手術」は間違いだし当事者には不快な表現ですよ、というメールを大手新聞社四社に送ってみたところ、早速本日、或る新聞社から回答が届きました。転記してみます。
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メールをいただきました件につきまして、ご回答申し上げます。
まず、記事の表現につきまして、不快な気持ちを持たれたことについて、おわびを申し上げます。
ご指摘をいただきました「性転換手術」という表現ですが、○○新聞ではこれまでも、当事者の方の意見を踏まえて「性別適合(性転換)手術」という表記の仕方を、おおむねしてきておりました。手術を受けた選手の五輪参加をIOC(国際オリンピック委員会)が認めたことを報じた記事などです。
しかし、今回の記事では、「性転換手術」という表記のまま掲載されてしまったものです。
当事者の方が不快の念を覚える表記は、報道機関として避けるべきだと考えています。
社内でこの手術の表記の仕方についてさらに共通認識を深め、ご指摘に応えたいと思います。
指摘のお礼を兼ね、ご報告いたします。さらにご意見等ございましたら、お寄せください。
6月20日 ○○新聞大阪本社社会部副部長 ○○□□(署名)
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つまり、校閲が巧くいっていなかったということですね。新聞は日刊ですから大変だとは思いますが、次から気を付けてくださいね。
でも、これまでは併記はしても、どうして「転換」ではなく「適合」と言うかを紙面で一般の人に説明することまではしてくれていないのですね。そこまで求めてはいけないのでしょうか。
しかし、一番早くに御回答くだすったのがこの社であります。
【今日の豆智識】
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