駄文
蒼海 零



 確かな物。




心なんて
世界で一番不確かなもので
どうにも扱いづらい、厄介な代物だ

家族の信頼も、友情も、いつまでもある確かなものじゃない。
今でこそ笑いあっていられる彼等だって、
私を見放したり、嫌ったり、疎ましく思ったりすることがあるかもしれないし
いつか私の方から離れていくかもしれない。

それに、この内の私の弱さからくる恐怖。

信じたくない、信じられない、
逃げたい、怖い、痛い、
苦しい、苦しい、苦しい…

人と関わるたびに思う。

けれど、こんな濁流にあえて身を投じたのは、
そこに確かな光を知っているからだ。

自分一人では、脱け出せなかった
私は、救われた時を確かに知っている

こんな私を好きだと言ってくれて、ただ側で笑ってくれているだけで
どんなにその優しさが私の背中を押してくれたか。
堕ちていきそうになるときに、この世界に引き戻してくれたか。

不確かなものばかりの世界で、
あの優しさだけは確かなもの。
唯一、疑うことの出来ぬもの。

誰かにとって、そんな光になりたいと思った。
私かここにいることを確かにするために
返しきれない恩を少しでも返せるように
私のような思いをしている人々を助けるために

優しい光になりたいと思ったんだ。


2002年08月18日(日)
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