浅間日記

2007年12月15日(土) クリスマスの真実

角野栄子著「クリスマス クリスマス」をAに読む。

クリスマスがキリスト教のお祭り、
なかでもイエスの生誕を祝う日となったのは、
ヨーロッパからアメリカ大陸に伝わってからなのだそうである。

それまでのクリスマスというのは冬至と密接な関係をもっていて、
「光が生まれる日」とされるこの日を祝福するという意味が大きかったのだそうである。
また、来年が実り豊かな年になるようにという祈りも込められていたのらしい。


サンタクロースも、優しいだけではなかった。
悪い子どもは袋に入れて連れて行ったり、
鞭でぶったりする人物とされている。



この「原始サンタ」の在り様から、
昔は冬に子どもが沢山死んだのだろうなと想像する。

生活環境においても農業生産性においても現代に比べはるかに厳しかった時代、
冬という季節は容赦なく子どもを飢えさせ、凍えさせ、命をさらっていったのだろう。

だからサンタは、生きるための物資をくれる存在として子どもの切実な救い足りえたし、
また一方で、命を奪うという、避けがたく厳しい現実を象徴したのではないか。



クリスマスは本来、一つの宗教に根ざしたものではなくて、
冬という季節から生まれた土着性の強い風習に始まっている。

だからこそ、この冬の祝祭日は世界中で受け入れられ、
それぞれの場所で、冬の風土に溶け込んでいったのだろう。

おそらく、多分。

2006年12月15日(金) 失敗
2005年12月15日(木) 南へ北へ
2004年12月15日(水) 追って狂気の沙汰を待て


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