ほっこり日記
ふー



 ニュース。

尼崎の事故が起こってから数日は、テレビに釘付けになった。
なんということだろう、私の意識や感情が固定されてしまってた。

今は、どこにいっても新聞を見ても、JRを非難するニュースばかり
が目だって仕方がない。
昨日は、家族で鞍馬山に昇って帰り道に修学院の風呂屋で
一汗流して帰ったのだが、その脱衣場のテレビでも
ひどく悪し様にJRを罵っていたのだった。

無理もない、突然の事故で家族を失ったこの事件は
あまりにひどかったのだから。

それでも、この穏やかで美しい日に、
ヒトを罵って飯を食う、という仕事でなくて、
本当によかったと、心から思うのだ。

報道に勤めていると、いい話より、ずっと
ひどい話、悲しい話が多いという。
世の中の役に立とうと思って飛び込んだ世界で
事件や事故の話しばかりを記事にして、一生を終える
そんな新聞記者が多い、そう、何かで読んだ。

ああそうだ、それは、
金子みすずを世に出した記者が、そんな中で
人に喜ばれて大ヒットする発見を記事にできたのは
幸せだ、というようなことを何かで語っていたのだった。

どんな仕事でも一生懸命やるのだけど、
役割分担として、いやな役目を負うときはある。
でも、人のうわさ、欠点を探してはそれを公表していく仕事をしていると
素の自分までもが、そういう人間になってしまいそうで、
ああいう仕事でなくてよかった、と、思う。

私は、本当に器の小さな、みみっちい人間だなあ。






2005年05月06日(金)
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