天上天下唯我独尊

2007年01月27日(土) 失恋

1日中、何をしていても、頭から離れない。
寝ても醒めても、思うのはその事だけ。
まるで、恋でもしているようだ。

私はブランド物に興味が無い。
それなのに、とあるブランドの鞄に一目惚れしてしまった。
百貨店内をぶらぶらしていて、仮令気に入っても買えないからと、いつもなら目もくれずに通り過ぎるだけなのに、それがふと目に留まった。
松田聖子の言葉を借りれば、ビビビっと来たというやつである。聖子嫌いだけれど。
私に似合う色で飾りが可愛くて変わった取っ手が付いている事で、今まで興味が無くどちらかと言えば敬遠していた形なのに、ハートを撃ち抜かれてしまったのだ。
カ・ワ・イ・イ。
因みにお幾ら?と値札を引っ繰り返すと、お値段約10万円なり。
ム・リ。
後ろ髪をひかれる思いで、私は店を後にしたのだった。

お金に無頓着なダーリンなら、買ってもいいよと言ってくれるかも知れない。
そんな期待を抱いて訊いてみたが、
「10万円!? 本気で買うつもりなの?シオン」
……そう言われたら、「うん♪買って」なんて言えなくなるじゃん。

欲しい欲しいと思いつつ、再び店を訪れてみると、もうその鞄は無くなっていた。
売れてしまったのだろうか。
はあ〜と溜め息を吐くと、ダーリンが言った。
「あの鞄を可愛いと思うのは、シオンだけじゃなかったって事だよ。そして他の人達には、それを買うだけのお金があって、うちには無かった。それだけの事さ」
その通りなんだろうけれど……。


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