阿呆的日常 主にJとかプロレスとか。
アホラレツ|キノウ|アシタ
| 2002年02月01日(金) |
妄想と現実。/Hate or Love 4 |
「英二、どうしたの、この猫」 「拾ってきちゃった……」 「拾ってきたって……」 菊丸の腕に抱えられた仔猫を見て、不二が溜息をついた。 「だって、すんごい可哀相じゃん!こんなちっこいのに」 仔猫はミャアと鳴く。 「……でも、どうしよう……」 困惑顔の菊丸を見て、またひとつ不二は溜息をついた。 どうしようって、ホント英二はいつも考えなしなんだから… そう思いながら、不二は仔猫の頭をそっと撫でる。 「俺んち、これ以上ペット飼えにゃいし」 「それよりも、試合の間このコをどうするか考えたら?」 「あ!」 菊丸の肩からラケットバッグがドサリと地面に落ちて、腕に 抱かれた仔猫がビクッと身体を震わせた。
更衣室のロッカーの上にあった、ボロボロのダンボールの 箱を菊丸は河村に頼んで下ろしてもらった。ホコリを叩いて、 自分のタオルを敷き、仔猫をそっとその中に入れる。 「ニャンコ、ここでおとなしくしててね?試合が終わったら 飼い主ちゃんと見つけるから!」 仔猫は寂しげな瞳を菊丸に向けながら、箱が閉められ 周囲が暗くなるのを待った。
「大丈夫かにゃあ?寂しくないかにゃあ?」 「英二、試合に集中してくれよ?」 「あ、うん、大石」 ……どうだかね。大石は気分屋のパートナーの気持ちが 捨て猫に向いているのがよーくわかっていた。練習試合 とはいえ、全国大会準優勝の氷帝との試合。いくら全国を 戦い抜いた3年生ではなく、互いに2年生同志とはいえども、 その実力は確かなはず。菊丸のこの気の散り方では下手 したら試合にならないのでは…?そんな不安が大石の心を 過った。アップのボレー練習も気が入っていないのがよく わかる。 「大石!菊丸!」 竜崎の声が2人の名を呼び、2人はアップを切り上げて 手塚と竜崎がいるベンチへと走った。 「ダブルスの第1試合はお前らに行ってもらうよ?身体は あったまってるかい?」 「はい!」 「相手のダブルスは都大会でうちの江原、矢野ペアを破った 2年が出てくる。心してかかるんだよ!」 「……江原先輩と矢野先輩のペアに勝った?」 竜崎の言葉を鸚鵡返しするように菊丸の唇が動く。 大石と手塚が不思議そうな顔をして菊丸の顔を覗き込んだ。 「あぁ、そうだよ」 「シノビアシって人?」
………
一瞬竜崎、手塚、大石が固まり、竜崎が大きく吹き出す。 「あーっはっはっは、シノビアシかい?菊丸、少しは国語の 勉強をしたほうがいいな。まぁ珍しい名前ではあるが」 「にゃ、にゃんでそんなに笑うんですか!?」 「菊丸、これは『オシタリ』と読むんだ……」 手塚が微妙に震える声で『忍足』の正しい読み方を告げた。 「お、おしたり……?」 「氷帝の監督自ら大阪でスカウトしてきたらしいな。俺は ちょうどアップをしていて、忍足が出た試合は見ていない んだが……菊丸どうたったか覚えているか?」 メンバー表に目を通しながら、手塚が菊丸に尋ねる。 「え、どうだったって……」 シノビア、違うオシタリの試合、試合、試合…… すごくスマートなテニスだった。無駄がなくて、不二や 手塚とは違ったプレーで、思わず俺は見惚れてしまった。 同じ2年生とは思えなかっ――――――――!!! 「英二?どうした?顔が真っ赤だよ?」
あんにゃキスをする男〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
「にゃんでもナイっっ!!どんなかなんて試合すれば わかるよ!手塚しっかり見ててよね!」 「あ、あぁ……」 菊丸はクルリと背を向けて、竜崎たち3人の下から去った。 「どうしたっていうんだい、あの気分屋は」 竜崎が苦笑しながら言う。手塚は深く息をついて、大石は 慌てて追いかけて行った。その様子をフェンス越しに伺って いた不二が何か気付いたかのように、ふぅんと声を洩らす。
「忍足……ね」
真っ赤な顔をした菊丸がクルクルとラケットを回していた。
---------- Hate or Love 4 --------------
現実はこれから移転前のビルに行って、番組のダビング作業を しなくてはなりません……めんどくさいよぅ! そして今日は久々に美容院に行って、カラーリングしてきます。 てゆーか、よく続いてるなー、この連載(笑)
き あ ぬ
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