よるの迷走日記
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2005年03月03日(木) 何だろうこの違和感は

怪人がヒロインに音楽を指導して、才能を開花させるが、
彼女は子爵と恋に落ち、嫉妬に狂った怪人は自分の元に戻って
男の命を救るよう迫る。
オペラ座の怪人のあらすじを大雑把に書いちゃえばこうなる。
しかし何だか釈然としなくて、原作<ガストン・ルルー/創元推理文庫>を
読み返してみたり、大昔に読んだ『ファントム』という本の内容を
必死に思い出そうとしたりしている。
そう、6年位前かな、イタリア版か何かで映画もビデオで観た筈。
考えようによっては結構怪人好きだな、私。マニアまでいかないと思うが。
前に観たやつの怪人は長身の美男で、赤子の時オペラ座に捨てられて
鼠達によって育てられ、結構肉感的なクリスティーヌとああやこうや
なるという、相当に薄っぺらい内容だったのだ、確か。
クリスティーヌも随分多情で移り気なお姉さんになってたし。

『ファントム』は、ハードカバーの上下巻で、これはものすごく
面白かった覚えがある。十代の時に図書館で読んだのにかなり
はっきり記憶している程。これは、原作に出てくる怪人の謎めいた
人生を小説化したもので――生い立ちからさまざまな技術や知識を
吸収した青年時代など――しかも、原作と矛盾しないように
つながってくるの!そうそう、この本が良いと思ったのは、
物語の最高のクライマックスである、怪人がクリスティーヌに
決断を迫り、そして……な部分をとても丁寧に扱っていた点にある。
結末は好みじゃないけど。でも、原作をここまで矛盾なく
書き切るというのは愛情があるからで、こういう解釈もあるよなー、と
まあ認められるようになっていたと思う。

そう、下世話な三角関係の話にして欲しくないのだ。
ファントムが救われるのは慈愛や人の温もり、そういうもっと
根源的で崇高なものによらなければっ。
何だか映画、そのへんどうなの?と思っていたら、
疑問を解決する意見がネット上に散見されるようになってきた。(つづく。)


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