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題名に、「日記と言うよりメモ」の言葉が含まれた場合は、 母の様子や入院等についての内容が書かれています。 ここに、ガンのコトが少し書いてあります。


2002年08月06日(火) 日記と言うより記録(7/29−2)

朝方何度か看護婦さんが病室にやってきた。
担当じゃない看護婦さんも顔を出してくれた。
担当の看護婦さんが母に話しかけている。
前に仲良かった看護婦さんでやめちゃった人がいたでしょ?
○○さん。あの人からも頑張ってねって言われたわよ。

母の呼吸は依然荒いままだ。


外が明るくなった頃、看護婦さんが
母に取りつけてあった心電図計?を確認にきた。
電波が上手く飛ばないらしく心配だと言っていた。

私達3人は相変わらず母の手足をさすっていた。

6時半過ぎだったと思う。
ごめんなさいね、もうこっちに変えます。
母に取りつけてあった携帯式の心電図計から
テレビで見るみたいなコンセント式のものに変えられた。


私の表情も強張ったのが判った。


7時頃、看護婦さんが父に電話をしますと言った。
お願いしますと頼んだ。

7時10分頃、看護婦さんに
半までに病院に着きますか?と聞かれた。
タクシーで来れば間に合いますが、父が何で来るか判りません
と答えた。

カンにさわるオトで頭が痛くなる。
ボリュームを下げようと見ると、既に最小。
ごめんね、気になる音よね、
ボリュームは最小になってるから。
看護婦さんが言った。

近隣のコトを気にしていた母のコトを思うと
隣の病室に聞こえるんじゃないかと気になる。



数値がどんどん小さくなっていく。
一呼吸に2から5程度小さくなっていたと思う。
20位1度に落ちた。
3人とも母の顔は見ていなかったと思う。
モニターの表示する緑色の数値と波線を
凝視しながら、手足をさする。
10位、数値が上がった。
そんなことのくり返しをしていた。

徐々に数値が小さくなっていき、2まで下がった。
叔母(母の姉)は手をさするのをやめなかった
数値が少し上がる。叔母が
これは、私が手をこうやってるからですか?
そうです。
先生を呼んできますね。
看護婦さんが答えた。

3人は泣いた。



7時半頃、先生がやってきた。3人は母のそばを離れた。
モニター、瞳孔、脈等を診て
どうしますか、お父さんはご不在ですが。
結構です。お願いします。
と私が答えた。

チラッと時計を見て
7時34分ご臨終です。
そう言い終え
先生が頭を下げ、ドアに身体を向けようとした時
父が病室に入ってきた。

間に合わなかったよ、たった今だったよ。

多分私が父にそう言ったと思う。
先生がもう1度同じことを父に告げた。

そうか・・・。間に合わなかったか。母さん。Y子。

父が母の名前を呼ぶのを聞くのは、ここ数年記憶にない。


母は父に会いたくなかったんじゃないかと思った。
最後の父への反抗だと感じた。
A子は私と違っていた。
母は父が間に合うように、ぎりぎりまで頑張ったんだと思う
と言っていた。
最初はそうか?って思ったけど、反抗じゃなかったのかもな
と思うコトがあった。


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