みかんのつぶつぶ
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2002年09月21日(土) 彼岸

夕暮れ迫る商店街の薬局は、切ない想い出。


薬局へ走り、何か彼のために買っていけば何とかなるのでは、という思い。


コンビニへ行って夕刊を買う。
目が覚めて彼が読みたいといったときのために。





だけど全て必要がないことだということもわかっていて。


ただただ切なくて切なくて
泣きたい気持ちを抑えて
だけど泣きたいのかどうなのか自分でもわからなくて
だれかに聞いてもらいたいけれど答えはわかっているからやめる




どうしてこうなってしまったのか
どうしてこんなに元気がないのか


ベッドサイドで固まってしまうだけの自分の姿


大切な大切な時間を黙々と刻む音だけを感じて、
もう、前か後ろかわからなくなっている自分の思考。





病室を思い出す。
怒りと悲しみが湧き起こる。
だけどその場所に置いて帰らなければならなかった。



午後8時10分
この時間にあのバス停でバスを待ち、
誰かそばに居てくれたらと車内から月を見上げて。
病院から遠ざかれば気持ちは少し切り換わり、
明日のために家路につこうとする。


これを買っていったら彼が少し元気になってくれるだろうかと、
勤め帰りの人で混み合うスーパーで食材を選ぶ。
手のひらに食い込む袋をぶら下げて、子どもの待つ家へと急ぐ。


待っているそぶりも見せずに私の帰りを待つ子ども達。
疲れたと口走ると悲しみの裏返しで怒りはじめる娘。


あまり見舞いには行きたくないんだ、と珍しく口篭もる息子。


不安だったんだよね、みーんな。
姿を見れば尚更不安になるんだよね。
そんな状態だったんだよね。


ぜーんぶわかっていたのに、
どうしてなにもできなかったんだろうね。


もっともっと。


なにかできたはずじゃなかったのだろうかってね。
思っちゃうんだよね。


こういうのって、どういうことなんだろうね。


命が動こうとするときって、
だれも身動きできなくなるもなのだろうかね。


大きい大きい動きだから、その振動が伝わってきて。


だけど、
そんな大きな不安も、
家族が揃っていたからあったものなんだよね。


ベッドで眠っているだけでも、
彼はちゃんと父親の役割を果たしていたんだよね。


私達が生きていく保障を与えてくれていたんだよね。


いまもこうして何の不自由もなくいられるのも、
父親としての役割を果たしてくれていることと同じ。


これからを生きる私達のために、彼がいる。




ありがとう、おかげさま。













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