みかんのつぶつぶ
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夫婦だからというだけで色々なものに守られる。 夫婦だからというだけで色々なものに縛られる。
私と彼は11歳年齢差があったこともあり、 いつも上から私を眺めている感じのひとだった。 亭主関白なところも目立ち、 それはそれでまた、彼が望んで私が応じることができる範囲ならば、 無理に争うこともないと思っていた。
筋道がしっかりしているひとだし、 不言実行タイプだったのでとても尊敬できるひとだった。
結婚生活に甘い夢なんて持ちあわせていなかった私は、 特別ウキウキするわけでもないし、 特別なことを望むわけでもないし、 ただ、 仲良く安定した生活がとてもとても心地よかった。
お互い子どもは嫌いだと話していたこともあったのに、 いざ生まれてみると、彼は誰よりも子煩悩で、 誰よりも子どもに優しくて、 子育てにとてもよく協力してくれた。
夜泣きがひどい息子を、 仕事で疲れているのに抱きながら夜、散歩にいったり、 休日には必ずどこかへ連れて歩いて。
一生懸命仕事をして、 晩酌とプロ野球で一日の疲れを癒し、 子どもの成長を楽しむように世話をして。
何か特別なことを望むわけでもなく、 みんなが機嫌よくできればいい、 ただそれだけだった。 子ども達の無限に広がる夢や成長を、 そっと見守り大切に大切にすること、 それが暗黙のルールだった。
何かと不安定になる私の生活リズムと違い、 彼は毎日一定のリズムを保ち続けるひとで、 強い精神力と忍耐で、家族のリズムを作ってくれていた。
そんなリズムを、 息子と娘が受け継いでいる。
彼は目の前にいないけれど、 いま目の前にいるこのふたりの子ども達に、 彼の精神は宿っているのだ。
私がこうして笑顔を忘れないでいられるのも、 こうして私を保っていられるのも、 闘病しながらも私を気遣う気持ちで接してくれた、 彼の優しさが染みこんでいるから。
その優しさを思い出して、 つい泣きたくなってしまうとき、 ずいぶんと彼に甘やかされていたものだと自覚する。
あなたと一緒にいられて、 私はなんて幸運だったのでしょう。
私と子ども達、 3人のお世話をしてくれてありがとう。
毎日窓の外に広がる空に聞くことにします。 魂の友人となった彼に。
元気? うん、相変わらずよ。
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