みかんのつぶつぶ
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写真を現像に出してあったので取りに。 見るのが怖かった。 どうしてか、見るのをためらった。 昨年、がんセンターで撮影した彼の姿が残っているフイルム。 母から貰って現像に出したのだが...
日付が入っていた。 '01.06.16
点滴をぶら下げて、車椅子に座る彼。 あの頃気がつかなかったが、 明らかにやつれていて、 笑顔も、口元がほころぶだけで、 目は笑っていない。
本当に、笑っていない。 表情が乏しいのは把握していたが、 こんなにも力の無い表情をしていたのかと、 少しショックを受ける。
でも、 そこにいる。
逢えたねぇ
もしもね、 まだ彼の側についていることが許されるならば、 私はまず何を彼にしてあげたいだろうと考えた。
やっぱりこんな風に、 毎日笑顔で側にいたいかな
生きててよかったねって、 動かない左手を、そっと握ってあげたいかな
辛いよっていわれたら、 そうだねって一緒に泣いてあげたいかな
でもでも、 やっぱり、 治療はやめようねって、 言えないと思う。
入院中に写真は、全然といっていいほど撮りませんでした。 彼が嫌がるだろうと察して。 姿が変わって行くことを記録するような気がしてしまい、 彼にレンズを向けることでとても傷つけるような気がして。
この6月に母が撮ってくれた私と彼、ふたりでいる写真が、 永遠に最後の一枚となってしまいました。
私のバックを膝の上に乗せている彼と、 彼の右隣りにしゃがんでピースサインの私。
幸せでした。 少しでも彼が楽しそうならばそれだけで嬉しかったし。 少しでも食べたい物の名前を言ってくれれば、 それだけで病室へ通う私の励みになったし。
こんなにやつれていたのに、 彼は治療をやめると言わないで、 泣き言もほとんど口にしないで、 そんな姿にどれだけ私が救われていたことか。
ほんの3枚だけの写真に、 忘れていたことを教えてもらった。
生きたい。 生きたい。 生きたい。 生きていれば辛くても悲しくても幸せにかわるよ。
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