みかんのつぶつぶ
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2002年07月06日(土) それでも幸せだったとおもう。

夏の日差しがあまりにも眩しく感じるのは、

自分の影がよけいに色濃く浮き出てしまうから。





がんセンターへの坂道を上りながら、

ただアスファルトからの照り返しだけをみつめる。



でも、

私はまだいい。

こうしてこの日差しのなかを汗だくで歩いて行くことができるのだから。

いくら憧れても、

それは叶わぬことで、

病室からこの夏の光に照らされた景色を見ることで、

癒されるどころか、

もっと傷ついてしまい、

焦り、涙することも忘れて、

いつか見た夢のように、

あきらめるしかない夏を過ごすひと。





そんな苦悩をも、

夏の日差しはまんべんなく照らしだし浮きだたせ、





あんなに残酷な夏は、もう二度とごめんだと日陰に入り込む。





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