みかんのつぶつぶ
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「明日は父の日だよっ」
娘が何を思ったのか、めずらしく父親ネタを言い出す。
「まさか、私には関係ないわっ!なんて泣かないでよぉ」
ニヤニヤしながら私が言うと、 目を真ん丸くおどけた顔をして部屋へひっこんでいった。 そして、再び部屋から出てきながらキッチンにいる私の横を通りすがりに、
「よっ!未亡人っ!」
「・・・あらためて、何さ。」 思いっきり不審げな私。
「あのね、女の人は離婚して1年経たないと結婚できないんだってさー」
「へえー。なんで?」
「妊娠してる可能性があるかも知れないからだってぇ」
「ふうん。妊娠する可能性がなくってもなのか」
「うん。・・・って、なぜ私はこんなことを知ってるんだ。。。」 と、照れる娘。
「じゃあ、来年あたりに新しいお父さん連れてくるかなぁー?」
「そうだねえ、真田広之みたいなお父さんだったらいいよぉ」
「あはは。いやいや、もう結婚は面倒だからいいや」
「え"−っ!ひぇーん・・・面倒な結婚をして産まれた私が可哀相だー」
こらこら・・・・・・そうじゃなくって。 大体、これから恋愛をして結婚に至る道のりなんて考えたら、 面倒なことばかりが予想され、それだけで嫌になる。 それにその前に離婚しなくちゃいけないじゃないの。
好きなときにゴルフへ行って、気が向いたら遠くへ旅立ち、 その気になったら死んでくだけ。松の木枕にしてね。 もう、誰の死に顔も見たくないもんね。誰よりも先に死んでやるぅ
私は自由よー!
誰にも邪魔させないわっ
「でもさ、 学校から帰って知らない男の人が家にいたら、 私はすぐに荷物まとめて家出するね」 と、娘。にやにや。
「おー、お帰り〜とか言われて?」 私。にやにや。
「うん。微妙な年頃なのよぉ」 娘。笑ってるけど必死。
きっと、友達との会話に父の日ネタでもあがったんだろうねえ。 これから先、父親がいないという現実に直面することがたくさんあると思う。
うまく、乗りきれるかな。
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