みかんのつぶつぶ
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2002年06月04日(火) 夏。

夕暮れどき。
買い物帰りに何気なく目に入る民家の庭先。
思い出すのは父の後姿。
こんな時間は、
ホースを持ち、草花に水遣りをしていたその姿。
昼間の陽射しでカラカラに乾いた盆栽の土が、
水を含んで放つその匂い。

蚊取り線香の香り。

ああ、夏が来るね。

また、夏が来るんだね。

キミがいた夏。

私が生まれた夏。

もう、
ふたりともいない夏。

私もいつかはいなくなる夏。





おばあちゃんが着ていた小さい水玉のプリーツスカート。

カルピスの青い水玉。

キンカンの大きな瓶。

横須賀の坂道。


鎌倉の花火。


がんセンターの向日葵。

国立病院の蝉の声。




すべてが夏。

どうしても癒えない感覚。






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