みかんのつぶつぶ
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2001年09月26日(水)

昨日は久しぶりに「泣き虫みかんちゃん」の日だった(笑)
おかげで目がはれてるし。

足の浮腫みが日を追うごとに悪化している。
ウトウト眠ってしまう姿と、動かない足の浮腫みが私の不安を一気に爆発させたのだ。
看護婦さんに先生と話しがしたいと問い合わせて見た。

しばらくすると看護婦さんが入ってきたので、先生とお話しができるのかと身構えたら

「えーっと…金曜日でしたらお話しができますってことなんですけど」

・・・・・・・・・?・・・・・・・ぷちっ!
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ!!!

「フッ…N先生ですか?」抑えた声で精一杯問いただしてみた。

「あ、いえ…TM先生なんですけど…」困惑顔の看護婦さん

「…私、まだお会いしたことのない先生なので仕方ないですね。
わかりました。それでは先生に聞いておいていただけますか?
3日前から浮腫みが徐々にひどくなってきている原因をうかがいたいんです。
点滴も、尿量が少ないからということですが、浮腫みの原因になってはいないのかと心配なんです。
それにバルーンも、もう一ヶ月以上入ったままなので、
何か詰まっていたり、異常はないのか調べてもらいたいし・・・」

「そうですよねえ…
バルーンは取りかえるオーダーがでているはずなんですけど…」


こういう対応はこの病院では日常茶飯事起こるであろう予想はしていたので、
まあ怒りよりも、やっぱり情けないやら不安やら。
がんセンターに戻りたいと思ったら、涙が溢れてきて、洗面所でしばらく泣いていた。

それにしても、患者の状態に不安を抱く家族に向かって、
正面から向き合ってくれない医者は、かえって病状を悪化させると思った。
付きそう者の不安な電波は、患者に届いてしまうよ。
家族ならば尚更に。
それになんなんだろう…SOSを発しているのに金曜日なら話しを聞けるなんて!
どうかしているとしか思えない。

気を取りなおして病室に戻り、ベッドサイドで座りこんでいると、
パタパタと足音が近づいてきた。
N先生だった。
話しをしに下りて来てくれたのだ。

このN先生は、去年彼がここに運び込まれた時に救急処置をしてくださった先生だ。
いつも目が遠いところを見ている先生(笑)

先生のお話しでは、決して全身状態が悪くて浮腫んでいるわけではないということだった。
動けない足は、どうしても水分が停滞してしまうので、
なるべく動かしてあげたほうが良いという。
それと、MSコンチンの量を減らしてみましょうとのこと。
痛みはコントロールされているので、少しでも薬の量を減らして、
目覚めさせて身体を動かすようにしたいからだ。

セレネースは、不安症状が悪化してしまうのは困るし、
本人も辛いだろうから、まだしばらく服用することにする。


浮腫んできた足の想い出は、父の死に繋がる。
死んでもなお浮腫んでいた足が、いまでも目に浮かぶ。
怖かった。
浮腫んだ足を見ると、死を連想してしまう。

だからとても、
いても立ってもいられなかった。
だが、先生から全身状態の悪化ではないという言葉を聞いて、
それだけで安心できた。

ただそれだけの言葉なのに。
ただそれだけのことだから、医者は省いてしまうのだろうか。

先生の話しを聞いているあいだ、ずっと涙が止まらなかった。
不安で不安で、その気持ちを抑えることがもうできなかったから。

これまで、この病院で様々な宣告をされてきた。
悪性、再発、転移、転院・・・
1度も泣いたことはなかった。
それは、まだまだこの先があると思えたから。
なんとか治療をしていけると希望があったから。
医者の前で泣いたら、きっと冷静に話しができない、
また、話しをしてもらえないと感じたから。



ありがとう、N先生・・・


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